トリックカードに焦点を当てた日本で初めての事典です。
第一部では、トリックカードに関する専門用語およびトリックカードに関連した人名を解説。ボリューム・内容ともに充実しています。
第二部ではダブルバック・カードとダブルフェイス・カードを使った古今東西の傑作トリックを紹介。ギミックは単純ですが、その汎用性の高さに驚かされます。
第三部では、トリックカードと技法を結びつけた松田道弘の改案を紹介。現象をより単純化するためにトリックカードをうまく使うあたりは、さすがとしか言いようがありません。
トリックカードと技法のコンビネーションが本書のテーマですので、マジック入門書ではありません。しかし、カードマジック好きで創作意欲のある方にとっては先人達の知恵に多いに刺激を受けることでしょう。是非ご覧ください。
(用語)
ブランクカード、ブレインウェーブデック、ダブルフェイスカード、デックスイッチ、フォーシング・デック、インビジブル・デック、マークト・カード、ミラージュデック、ワンウェイデック、レインボウデック、ラフ & スムース、スプリットカード、カードスタッビング、3カードモンテ、 等
(人名)
セオドア・アネマン、アル・ベーカー、ポール・カリー、ダイ・バーノン、フィル・ゴールドスタイン、フレッド・カップス、ニック・トロスト、エド・マーロー、ジョン・ハーマン、等
ダイ・バーノンのアンビシャスカード
ハリー・フーディーニを引っ掛けた有名な手順。たった1枚のトリックカードで奇跡がおこせます。
リバーシ
1組の中で3人の観客が選んだカードだけが表向きになります。
ノベリスト・プレディクション
客が自由にシャフルし、1枚のカードを選びます。そのカードが予め演者がカードケースの中に入れておいたカードと一致します。泡坂妻夫が考案した非常にユニークなDBカードの使い方。使用するギャフカードは「Magic Cards Professional」にあります。
オープンプレディクション
演者は予言を隠すことなく、客が特定のカードを選ぶことを予め公開します。観客に自由に選んでもらったカードが、見事予言と一致しています。ロバート・パリッシュの解決法は手軽に出来、巧妙です。
アップス & ダウンカード
「チーク・トゥ・チーク」のポケット版ともいうべきマジック。セルフワーキング・トリックです。
マクドナルドのフォア・エース
ハンドリングの美しさと巧妙な手順は、数あるフォア・エースの中でもトップクラス。
天海のDo as I do
3段からなる手順。観客に5枚のカードを渡し、観客に一連の動作を演者と同じようにしてもらいます。5枚のカードを広げてみると、演者と観客とではカードの状態が異なります。
カメレオン・カード
ダイ・バーノン考案のトリック。1枚の赤裏のカードが青裏のカードに変化します。
エド・マーローの「テン・イヤーズ・アゴー」
4枚のエースを1組の中に裏向きに入れます。裏返したはずのエースはキングに変化し、4枚のエースは封をした封筒の中から現れます。簡単で効果的なトリック。
ニュー・カード・モンテ
客のポケットに入れた1枚のカードと、演者のポケットに入れた1枚のカードが入れかわります。
松田道弘のオープントラベラー
ラリー・ジェニングスの名作を改案。エースを飛行させる前にそのカードを見せ、マスターパケットに飛行した後もマークを確認させるというマニアックな企み。
カニバル・カードの研究
4枚の表向きのキングの間に裏向きのカードを入れると瞬間に消失したように見えます。もう一枚の裏向きのカードをキングの間に差し込みますが、このカードも消えます。2種類のギャフカードを使った手順を紹介。
マキシ・ツイストのフェイクバージョン
4枚のエースが1枚ずつ裏向きになっていき、最後には4枚とも裏向きになります。4枚のカードを1枚ずつ表向きにすると、4枚のカードは4枚の4に変化しています。余分なカードは見つかりません。
「私案カードケース」の手順構成
アレキサンダー・デコバの「ボックスド・トランスポジション」を単純化した3段からなる手順。第1段は、観客の選んだカードと同じランクのカードがそろって表向きになる。第2段は、キングの間に挟んだ観客のカードが消えて、デックの中程からあらわれます。第3段は、観客の選んだカードが消えて、カードケースから出てきます。
メイキング・オブ・ワイルド・カード
パケット・トリックの王様。オリジナルと松田道弘の改案2種類を紹介。
トリックカード作戦要務令
トリックカードを使う上での、Do and Do'nt10ヶ条。 是非読んでください。
トリックカードの記述のある参考文献
「Art of Astonishment」、「Sokomon's Mind」、「Focus」、「Quartet」など。
トリックカード30選
チーク・トゥ・チーク、モンキー・イン・ザ・ミドル、シンカンセン、プロフェッショナル・スリー・カード・モンテなど。
