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コラム

第112回 メンタリスト シーズン1 エピソード1 レッド・ジョンの影(2025.10.04 up)

9月28日はテンヨー大会に行ってきました。ジュニア・マジシャン・コンテストで入賞した人たちは、確か全員が本名ではなくニックネームで名乗っていました。学生の発表会でもニックネームの人が多いです。カタカナやローマ字の短い名前は覚えにくく、他の人と被る可能性も高くなるので、自分の名前を記憶してほしいなら、本名か、自身の特徴を表す芸名にすべきで、何故、そんな名前にするのか疑問に思っていることは以前に書きました。最近、バイトでマジックを見せている若い人と会い、その人もローマ字の名前にしていました。その人の本名は苗字も名前も変わっており、それで名乗った方が変わっているので覚えられやすいと思ったのですが、当人曰わく、最近、流行の当て字の名前で、読みにくいので簡単な名前にしているそうです。世の中に唯一の名前だと思って親が勝手で付けているのは、本人たちにとっては迷惑で、そういったことから呼びやすいステージ・ネームにしているのかもしれないと思いました。

では、予告編から。

『メンタリスト シーズン1 エピソード1 レッド・ジョンの影』

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原題:The Mentalist(Pilot)
原案:Bruno Heller
製作総指揮:Bruno Heller、他
監督:David Nutter
出演:Simon Baker(Patrick Jane), Robin Tunney(Teresa Lisbon), Tim Kang (Kimball Cho), Owain Yeoman(Wayne Rigsby), Amanda Righetti(Grace Van Pelt)
シーズン数:7
話数:151
放送:CBS
時間:40~44分
放送:2008年9月23日~2015年2月18日(アメリカ)
製作国:アメリカ


2008年から2015年まで7シーズン、151話も放送された捜査官ドラマです。主人公のパトリック・ジェーンはメンタリストで、人の心を読んだり、トリックを使って容疑者に罠をかけるなど、マジック的なシーンが数多く登場しますので、連続して解説していきます。物語の背景と5人の主要登場人物を写真の左から順に紹介しておきましょう。

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パトリック・ジェーン:子供の頃、父親と一緒にインチキ降霊術で奇跡の少年として日銭を稼いでいました。大人になり、霊能力者として人気番組に出演し、警察からは調査の協力依頼もされていました。生放送中に連続殺人鬼であるレッドジョン(犯行現場に被害者の血でスマイル・マークを残していく)を侮辱し、帰宅すると妻子が殺されていました。犯人を追うため、カリフォルニア州捜査局(通称CBI)の犯罪コンサルタントとなり、持ち前の観察力、記憶力、特技の催眠術で型破りな捜査をし、周りからは煙たがられながらも難事件を次々に解決していきます。コンサルタントなので、手錠も銃も所持していません。聞き込み捜査や現場検証などの訪問先で勝手にお茶を淹れて飲んだり、お菓子を食べたりします。現場で殺された人の家族や知人に会う際に、「あなたが殺した?」とか「被害者と浮気してました?」と言ったような無礼な質問を投げかけ、それによって相手から反応を引き出し、手掛かりを得ようとするのが常套手段です。色々と推理するシーンが頻繁に出てきますが、何故、それに気がついたのか合理的な説明がされないことも多く、ちょっと手抜きな感じです。

ウェイン・リグスビー:放火事件や爆発物のエキスパート。身長193cmと長身。

テレサ・リズボン:CBIの捜査チームを率いる捜査官。ジェーンの上司ですが、ジェーンの勝手な行動に振り回されていつもぶち切れており、カルシウムが足りないのでは?と思います。演じるは「プリズン・ブレイク」で弁護士のベロニカ役だったロビン・タニーです。シカゴ出身の女優で、本ドラマでもシカゴなまりなので、発音の違いが分かればより楽しめるでしょう。

キンブル・チョウ:元軍人のCBI捜査官で韓国系。生真面目でクールな性格。昔はエイボン・パーク・プレイボーイズという不良グループに所属していました。その後、軍隊に入隊し、除隊後、CBIに。尋問担当。

グレース・ヴァンペルト:新人捜査官。性格は真面目で、霊を信じているカトリック信者。ITに強く、映像解析、逆探知、パスワードの解読などで活躍。研修という名目で暫く出演しない時期がありましたが、実は妊娠したためで、出産して復帰した時はだいぶ太っていました。

レッド・ジョンの手掛かりを追うベースとなるストーリーがありますが、基本的には1話完結型です。第1話はヴァンペルトが部署に配属されてきたところで、CBIの捜査チームはパームスプリングスで起きた殺人事件を解決しようと奔走します。22分、チームの5人で食事をします。テーブルに置かれたストローの上でジェーンが手を動かすと、手を動かす方向へストローがコロコロと転がります。ヴァンペルトが「タネは?」と聞くと、「念力だ」と答えたのに対し、チョウが「息だよ」と言います。ペトリックの「マジック・ストロー」というカード・マジックの売りネタがあり、天海賞で来日した時に演じました。簡単に言えば、デックを改め、好きなところでカットして選んだカードにストローが貫通するというもので、勿論、ストローを抜いた後、穴は開いていません。そのトリックをやる前に、ストローには仕掛けがないことを示すため、上記のようなストローが勝手に転がる遊びを入れていました。因みに、演者から遠ざかるように転がるのは誰しもが想像した通り、吹いているのですが、その後に演者の方に転がってくるのもやってみせ、これは息を吸い込むんだと言います。この小ネタを入れることで、ストローには何も種がないと思わせるところが巧妙でした(下記動画では、編集されているので、トリックの本当の良さが出ていません)。

34分、ジェーンは「なぜ、手品師に美しい助手が必要か分かりますか?」と言い、ワグナー医師が「さあ」と答えたのに対し、「客の注意をそらすためです。観客が助手に目を奪われるから、トリックは見破られない」と言います。それに似たマジシャンズ・ジョークがあります。絶対に自分の手品は見破られないと豪語するマジシャンがいました。方法は、演技の要となるところになると、横に立っている美人アシスタントが羽織っているマントをバッと挙げると下には何も着ていないのです。観客はそっちに気を取られるので種が見破られないわけですが、分かったと言った人がおり、それはジークフリート&ロイだったそうです。

43分、ジェーンが勝手に行動して事件を解決したことに対して怒っているリズボンの机の上にジェーンはカエルの折り紙を置きます。「これでごまかせると」と独り言を言うと、カエルが勝手に跳ね、リズボンはビックリします。John Kendyの「Jump」などを使えば実演できそうです。

日本語のタイトルだと分かりにくいですが、各原題にはRed、Pink、Blood、Fireなど赤系をイメージする単語が入っています。

ジェーンはもとより、リズボンやチョウも他部署の人や、事件の関係者(容疑者でなくとも)に結構、横柄な態度を取り、もうちょっと上手くやった方が操作がスムーズに進むのにと思ってしまいます。ドラマの最初の10分までにちょっとだけ登場した人物が犯人のことがよくあります。ジェーンの策略により容疑者は自白してしまう場合が多いのですが、決定的な証拠が無い場合も多々あり、やっぱり無罪だと主張し、裁判になった際に、有罪にできないのでは?と思ってしまいます。事件は一件落着にして話を終わらせたいからか、打ち合いにはならずに、犯人はあっさり逮捕されることが多く、取り調べでは取引を申し出て、直ぐに自白してしまうことが多いです。登場人物たちに感情移入できるようになれば面白くなってきます。又、各シーズンの最初や最後では視聴者の興味を引くために、レッド・ジョン関係の話や過激な展開があるので目が離せません。特に第3シーズンでレッド・ジョンを追い詰めていくところはスリリングでした。151話もあり、見るのが大変ですが、海外ドラマ好きで、それなりに時間のある人にはお勧めします。

Amazonプライムで無料で見られましたが、最近、有料になってしまいました。U-NEXTに入れば、追加料金無しで全話見られます(初めての人であれば無料で1ヶ月間お試しができます)。


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