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コラム

第111回 刑事コロンボ 第46話 汚れた超能力(2025.10.01 up)

今回は本題が長いので、前置きは無しにします。

『刑事コロンボ 第46話 汚れた超能力』

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原題:Columbo (Columbo Goes to the Guillotine)
監督:Leo Penn
出演:Peter Falk(Colombo) , Anthony Andrews(Elliott Blake), Anthony Zerbe(Max Dyson), Karen Austin(Dr. Paula Hall), James Greene(Bert Spindler), Alan Fudge(Mr. Harrow), Christopher Hart, Dan Birch(Magicians at Cemetery)
Magic Technical Advisor:Bruce Sinclair
放送:NBC
時間:88分
日本放送:1993年5月7日(アメリカでは1989年に放送)
製作国:アメリカ


11年ぶりの再開です。コロンボの日本語吹き替えは、1985年に小池朝雄が他界したため、石田太郎へ変更。コロンボがギロチンにかけられるという人目を引くキャッチーなタイトルで再スタートした新シリーズは、脚本に穴があったりで、評価は良くありません。逮捕の決め手も、それで成り立つのか?と思ってしまい、理詰めだったのが、強引に持っていっています。

自称超能力者のエリオット・ブレイクは、恋人のアネマン心霊研究所所長ポーラ・ハルとグルになり、インチキで超能力テストの成績をあげていました。冒頭、ハルがESPカードの表を見て、何のマークかを言っていきます。但し本当のことを言っても、嘘を言っても構いません。別室のブレイクはそれが真実か嘘かを推測します。波のマークが出た後は嘘、と言ったように、2人の間で予めサインが決めてあったのですが、ハルのミスもあり、400回行った結果、的中率は74%と、目標の86%には届きません。超能力を軍事目的に利用したい国防省のフレデリック・ハローは、“超能力者キラー”の異名をもつマックス・ダイソンに真贋を依頼します。しかし、ブレイクとダイソンは裏で繋がっており、次のようなトリックで課題の超能力テストを突破します。3人の陸軍士官が各々、車に乗り込み、街中を車で走り、適当なところで停め、目隠しをして地図帳を開き、フェルトのマーカー・ペンで印を付けます。地図で選んだ場所まで車で行き、ハローに東西南北から好きな方向を選ばせ、そちらを見て写真を写し、イメージを研究所にいるブレイクに送ります。ブレイクは3枚の写真と近似した絵を描き、テストは成功します。ブレイクはその晩、ダイソンの2階の作業場(1階はバーとマジック・ショップ)へ現れます。2人はウガンダの刑務所に入れられた過去があり、ダイソンは刑期を軽くしてもらう見返りに、エリオットの脱獄を密告していたのでした。その恨みから、作業場にあったギロチンを修理中のダイソンをギロチンを使って殺害し、部屋を密室にしてその場を後にします。

コロンボが登場し、現場の操作や、関係者に聞き取りをします。マジック・ショップにはヒッピーホップ・ラビットが置かれています。作業場には引き出し箱があり、死体が握っていたドライバーを入れて引き出しを閉め、再び開けると消えています。もう1度やると出てきます。40分、コロンボはブレイクに会いに行き、聞き取りついでに、読心術を見せてくれとリクエストします。△を含んだ6枚のESPカードから1枚を選びますが、それをブレイクは当てます。これは選んだマークをメモ用紙に描く時のペンの先の動きを見て、何のマークを描いたかを読み取る古典的な方法です(大昔、Tony Hassiniがレクチャー・ビデオで解説していました)。バーの店主と話し、ギロチンの手品なんて見たことがないとコロンボは言いますが、そんなに珍しいネタですかね?ディーラーのバートは子供たちに「トラベリング・デック」を見せます。コロンボはそこで少年、トニーと知り合います。彼はシャーリエ・パスをして、コロンボにアンビシャス・カード(ボトムに同じカードが見えてしまっているので、ワンウェイ・デックを使っていると推測します)、指のギロチンを見せます(コロンボがいつも口にくわえている葉巻の端を切ってみせるところは、その場にあったもので、なおかつ、葉巻は端を切る操作が必要なので、上手い演出です)。

ダイソンの葬式が墓地で行われます。参列したマジシャンたちの帽子と衣装は全て白で、最後に別れをする時に1人ずつ小ネタを披露します。Christopher Hartはフラッシュ・コットンから花を出して、墓穴へ投げ入れます。次のバートはウォンドをプロダクションし、2つに折って、投げ入れます。3人目のDan Birchはフラッシュ・シルクから鳩を出し、飛ばします。

コロンボに呼び出されたブレイクがダイソンの作業場へ行くと、コロンボは「Dyson on Mind Reading(ダイソンの読心術)」を読んでいます。コロンボはダイソンがどんな風に死んだか、バイブレーションで読み取ってほしいと言い、ブレイクは死んだダイソンが感じた言葉を色々と言いますが、コロンボは、自殺ではない根拠を挙げることで次々と否定し、ブレイクをイライラさせます。ブレイクは机の上に置かれていた弾丸を、自分が置き忘れたものだと思い、スチールして、ポケットに入れます(最初は銃で殺す計画でしたが、ギロチンを見て、予定を変更した)。ここは置かれている弾の上に手をかざして、手をどけると弾は消えていますが、マグネットなり粘着テープで掌にくっつけたのでしょう。

コロンボは以前にブレイクに見せられた読心術を再現してみせます。これはダイソンの本に解説してありました。72分、マジック・キャッスルの外観が登場します。レストランでコロンボはトニーに超能力の実験がどのようにして行われたのかを聞きます。2人の後ろの方ではマジシャンがマジックを見せており、カップ&ボールでオレンジが出てきたところのようです。ブレイクが政府との契約が成功しそうなところへコロンボが現れ、同じ超能力テストをやってみせることで、イカサマであることを暴露します。方法を簡単に説明しますと、地図帳は全部同じページで、印を付けるペンは仕掛けのある書けないペンで、全てのページには予め印が付けてあります。開いたページに輪ゴムを掛けることで、他のページを見られないようにします。最後にコロンボはブレイクを作業場へ呼び出し、ブレイクを威嚇することで犯行を自供するように仕向けます。フィナーレでコロンボはブレイクに拳銃を向け、第1級殺人で逮捕すると言って引き金を引くと、“BANG”の文字が書かれた旗が出ます。

マジックが出てくる映画やドラマを見ていて一番腑に落ちないのは、マジシャンがトリックの秘密は絶対に明かさず、命よりも大事だというところです。みなさんの周りにそういう人はいますか?作業場には鍵を掛けて、誰も入れないようにしていますか?種明かしをすることによって得られる端金や一時の得られる注目のために、マジックの価値を落としてしまったのは、みなさんなのです。

超能力者が犯人なら、超能力を見破られて殺すのが動機と思いがちですが、恨みによる犯行でした。テストで東西南北の指定は軍のハローがしました。4つの方向の風景を予め覚えておき、ハローが選んだ方向の景色を描いたと思われますが、詳しく説明されていません。選んだ方角をブレイクが聞いてしまったら、テストの信頼性が弱まると思いますが...?又、目隠しをした状態で、開いたところで輪ゴムを掛けさせる作業は、やってもらうことが的確に伝わらない可能性があり、他のページをチラッと見たり(地図帳はスパイラル・バウンドで、開いたページを本の裏へ折り返して輪ゴムを掛けているので、1カ所に輪ゴムを掛けるだけで他のページが開かれることはありません)、ペンが書けないことに気づく危険があります。殺害現場でブレイクがバイブレーションを得ようとするところや、コロンボが超能力テストを再現するところはダラダラしていて、全体に切れがありません。ドラマとしてはイマイチですが、マジックが沢山出てくるので、一応、押さえておきましょう。

超能力者が犯人役という点では「古畑任三郎」の「殺人公開放送」(ゲスト:石黒賢)があります。

超能力ということで、次回からアメリカのテレビ・ドラマ「メンタリスト」を紹介していきます。元霊能者が、妻子を殺されたことで、その犯人、レッド・ジョンの手掛かりを得るためにCBI(カリフォルニア州のFBI)のコンサルタントとなり、メンタリストの特技を活かして事件を解決していくというもので、7シーズンと長期に渡って放送されました。セカンド・ディールやメンタル・マジックなど、手品の要素が時々出てきます。

トピック

10月2日 21時~ 「ブラック・ダイヤモンド」 ムービープラス

10月4日 19時~ 「荒野の七人」 BSトゥエルビ

10月6日 14時25分~ 「オーシャンズ11」 ザ・シネマ

10月9日 14時45分~ 「リーサル・ウェポン2 炎の約束」 ザ・シネマ

10月9日 23時5分~ 「リーサル・ウェポン2 炎の約束」 ザ・シネマ

10月10日 15時25分~ 「シックス・センス」 ザ・シネマ

10月11日 13時50分~ 「リーサル・ウェポン2 炎の約束」 BS10プレミアム

10月13日 20時~ 「007は二度死ぬ」 BS10プレミアム

10月14日 21時~ 「シックス・センス」 ザ・シネマ

10月15日 21時~ 「ドクター・スリープ」 ムービープラス

10月15日 23時10分~ 「リーサル・ウェポン2 炎の約束」 BS10プレミアム

10月17日 7時50分~ 「007は二度死ぬ」 BS10プレミアム

10月26日 14時20分~ 「シックス・センス」 ザ・シネマ


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