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コラム

第107回 ニードフル・シングス (2025.08/29 up)

2020年にNHK Eテレで「テキシコー」というプログラミング的思考を養う番組がありました。10回放送されており、今年の4月から再放送されています。

ほぼ毎回、ロジック・マジックという、セルフワーキング的なトリックが解説されています(第4、5、8回目はナシ)。手品のタネを解き明かそうという論理的なアプローチは良くないし、ダブル・フェイスの紙を使った予言など、バラすべきでないトリックも解説しています。


予告編からどうぞ。


『ニードフル・シングス』

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原題:Needful Things
監督:Fraser C. Heston
原作:Stephen Edwin King
出演:Max von Sydow (Leland Gaunt), Ed Harris (Sheriff Alan J. Pangborn), Bonnie Bedelia Culkin (Polly Chalmers), Shane Meier (Brian Rusk)
配給:コロンビア・ピクチャーズ
公開:1993年
上映時間:109分
製作国:アメリカ


「パラダイム」でカードのバック・パームが出てきましたが、瞬間現象として取り入れやすいからか、映画やドラマに時々、登場します。ストーリーとしては、悪魔が町へやって来て災いをもたらすといった点で同じスティーブン・キング原作の「イット」に似ています。彼の小説で頻繁に登場する舞台、メイン州の田舎町キャッスル・ロックに開店した古物屋“ニードフル・シングス”の店主、リーランド・ゴーント(実は悪魔)は、各々の客に彼らの欲しい物を提供し、値段を負ける代わりに客たちにあることをするよう要求します。それらのことが、やがて町を破滅へと導いていきます。悪魔役のマックス・フォン・シドーが適役で(この人はユージン・バーガーのようにいるだけで説得力があります)、ドラマ「ウェスト・ワールド」で黒服の男、ウィリアムを演じたエド・ハリスが主人公の保安官を演じています(良い人もやるんだという印象)。

11分、ゴーントは少年ラスクに彼が探している希少なミッキー・マントルのベースボール・カードを見せ、それを左手で持ち、バック・パームして消してみせます。そして直ぐに右手から出します。左手は本当に技法をやっているように見えます。バック・パームしたまま左手を下げ、同時に右手は隠し持っていたディユプリケートを取り出しています。

スティーブン・キングの小説はよく読みます。「シャイニング」は最初、パシフィカから出版されたのですが、前編だけ買った後に絶版になってしまい、今のようにネットで古本を探せる時代ではなかったので、読めたのは文藝春秋が再版した後でした。キングの作風は、ちょっとしか出て来ない登場人物でも、その人の人生まで細かく描くことで、物語全体にリアリティを出すことです。そのため欠点として、本題に到達するまでが長く、上下巻のものも多く、慣れない人は途中で挫折してしまうでしょう。例えば、「クージョ」は炎天下の中、外には狂犬病のセントバーナードがいて車から出られなくなった親子の話ですが、何故、そういう不幸な状況になったかを細かく描いていくのに2/3を費やし、犬が暴れ始めるのは終わり頃です。

映画化作品としては、「デッド・ゾーン」が地味な名作です。事故で昏睡状態になり、目が覚めたら過去や未来が見えるようになった男の話ですが、クリストファー・ウォーケンが寂しげな主人公ジョニーを好演していました。議員に立候補している男、スティルソン(型破りなところが、どこかの国の大統領を思わせます)が将来、大統領になり、核ミサイルのスイッチを押すというビジョンを見て、彼を今の内に殺そうと決意します。映画ではマーチン・シーンがスティルソンを演じていますが、ここだけはミスキャストで、第一、切れると何をするか分からない性格が描かれていません。小説では、スティルソンのセールスマン時代から描かれており、訪問した家が留守で、飼われていた犬が噛みついてきたため激怒し、犬を蹴り殺します。ここの描写が凄まじく、ここで彼の性格が説明されているからこそ、ヤバい奴だという説得力が出てくるのです。キングの小説を読んでみたい方には、「ファイヤー・スターター」をお勧めします。冒頭から見せ場の連続ですので…(2度、映画化されていますが、間違っても映画版は見てはいけません)。

次回はカードのバック・パームが出てくるテレビ・ドラマ「警部マクロード」です。

トピック

第44回で紹介した「黄金の指」を放送するのは珍しいです。

8月23日 15時~ 「今夜9時!サンドの禁断の一騎打ち」 フジ

8月23日 21時~ 「サンドの禁断の一騎打ち」 フジ

9月1日 9時~ 「トリック’00①②」 テレ朝チャンネル2

9月2日 9時~ 「トリック’00③④」 テレ朝チャンネル2

9月3日 9時~ 「トリック’00⑤⑥」 テレ朝チャンネル2

9月4日 9時~ 「トリック’00⑦⑧」 テレ朝チャンネル2

9月4日 15時~ 「ジョン・ウィック:コンセクエンス」 ザ・シネマ

9月5日 9時~ 「トリック’00⑨⑩」 テレ朝チャンネル2

9月5日 13時40分~ 「リーサルウェポン2 炎の約束」 テレ東

9月8日 9時~ 「トリック’02①②」 テレ朝チャンネル2

9月8日 10時30分~ 「黄金の指」 ザ・シネマ

9月9日 9時~ 「トリック’02③④」 テレ朝チャンネル2

9月10日 9時~ 「トリック’02⑤⑥」 テレ朝チャンネル2

9月11日 9時~ 「トリック’02⑦⑧」 テレ朝チャンネル2

9月12日 9時~ 「トリック’02⑨⑩」 テレ朝チャンネル2

9月20日 18時~ 「ジョン・ウィック:コンセクエンス」 ザ・シネマ

9月25日 12時30分~ 「リーサルウェポン2 炎の約束」 ザ・シネマ

9月25日 21時~ 「リーサルウェポン2 炎の約束」 ザ・シネマ

9月30日 21時~ 「ジョン・ウィック:コンセクエンス」 ザ・シネマ

1) 栗田研:「ニードフル・シングス」『Four of a Kind Vol.20 No.3』(チェシャ猫商会, 2022) p.687


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