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第104回　パラダイム(2025.08/02 up)

第73回に「バグダッドカフェ」を紹介しましたが、11月２日～23日までシアタークリエで「ミュージカル　バグダッドカフェ」が上演されます(その後、愛知、大阪、富山でも公演)。主演は花總まりがジャスミン、森公美子がブレンダ(体型からして、逆のキャスティングじゃないかと思いますが．．．)。日本初演なので内容は分かりませんが、ストーリーからマジックは外せないので、沢山出てくることでしょう。

では、予告編からどうぞ。

『パラダイム』

原題：Prince of Darkness
監督：John Howard Carpenter
脚本：Martin Quatermass (John Carpenterのペンネーム)
音楽：John Howard Carpenter
出演：Donald Pleasence (司祭), Jameson Parker (Brian Marsh), Lisa Blount (Catherine Danforth)
配給：東宝東和
上映時間：102分
公開1987年
製作国：アメリカ

鬼才、ジョン･カーペンターのB級ホラー映画で、監督だけでなく脚本、音楽も担当しています。司祭や研究者が悪魔に立ち向かうという話で、外ではゾンビのような怪物が徘徊し、建物から出られなくなるといった点は同監督の初期の佳作「要塞警察」に似ています。冒頭、ブライアンはテレビを見ながらソリティアをしていますが、手に持った赤裏のカード(裏に人の絵が描かれている銘柄は見たことがあるのですが、どこのものか思い出せません)でバック･パームの練習をしています。小指で押さえられていないのでバック･パームの位置にホールドできず、なかなか消えません。一般の人が見たら、技法の練習ではなく単にカードを弄んでいると思うでしょう。17分、気になっていた女性、リサと大学構内で話しながらカードを取り出し、バック･パームの練習を始めます(デートの場で手品の練習は嫌われるので、よい子のみんなはやめましょう)。ここでもうまくパームできず、又、手の甲を相手に向けているので、できたとしてもパームしているカードが丸見えです。63分、謎を解明するためにみんなで話し合っている時に、胸ポケットからデックを取り出し、再びバック･パームの練習(これができなきゃ、いつまでたってもその先のバック＆フロント･パームに進めないですよ)。光より速く飛べば過去にも行けるという話をしている時に、バック･パームしたカードが本当に消えます。ここはバック･パームし、手の裏に隠れたところで、手の甲側を映したショットに切り替わり、カードが消えたことを見せています。このための伏線として、脈絡も無く技法を練習するシーンが登場していたのでした。こじつけで手品を入れており、違和感があります。又、ストーリーも研究者たちが単に次々と殺されていくだけで捻りもありません。私はジョン･カーペンターの作品では、「ハロウィン」などのホラー作品よりも、「遊星からの物体X」「ニューヨーク1997」などSF作品の方が好きです。

下記の動画で上記シーンが見られますので、そこだけチェックすればいいでしょう。

次回は、リチャード･マチスン原作「地球最後の男」です。