• HOME
  • カードマジック
  • コインマジック
  • 日用品・雑貨
  • マジック基本用具
  • DVD
  • 書籍
  • ムービー

コラム

第101回 テラー・トレイン(2025.07/11 up)

さて、今回もデビッド・カッパーフィールド出演作です。えっ、100回で終わりじゃなかったって?次の100本の準備ができましたので、再開することにしました。では、予告編から。


『テラー・トレイン』

098

原題:Terror Train
監督:Roger Spottiswoode
製作:Harold Greenberg
出演:Ben Johnson(Carne), Jamie Lee Curtis(Alana Maxwell), Hart Bochner(Doc), Sandee Currie(Mitchy), David Copperfield(The Magician)
Illusions created:David Copperfield
製作:20世紀フォックス
公開:1980年
上映時間:97分
製作国:アメリカ、カナダ


走行中の列車内で大晦日の仮装パーティを開いている医学部進学の学生グループが、殺人鬼に次々と殺されていくというストーリーです。3年前に虐められて精神的に病んでしまった学生が犯人で、復讐のために戻って来たのだと思われますが...。列車内という閉鎖空間なので犯人がいれば直ぐに見つけられそうですが、仮装しているので犯人がいても分からないということでその問題をクリアーしています。過去の恨みを晴らしに来るというのは、この頃のスプラッター映画でよくあるパターンです(「バーニング(1981年版)」「ラストサマー」など)。そして1980年頃にスプラッター映画があんまり作られすぎたので、「スクリーム」のようにスプラッター映画あるあるを逆手に取ったものも出てきました。

この映画については、東京マジックのマジックラビリンス、「映像とマジシャン」で、私が書くよりも詳しく紹介されているので、そちらを見てください。

第十回 デヴィッド・カッパーフィールド 「テラー・トレイン」  長谷和幸

因みに、第九回では、私が第66回に紹介した「Get to Know Your Rabbit」について書いており、これまたマニアックな解説です。

ストーリーは省略し、マジック・シーンについて補足します。カッパーフィールドは余興で呼ばれたマジシャン役で、虐められた学生は手品をやっていたことから、カッパーフィールドが犯人かもしれないと臭わせます(因みに、ベン・ジョンソン演じる車掌も手品をやります)。9分、駅に着いたみんなはバスを降り、ドクは運転手に小箱に入っている切り落とした指を見せます(箱の下の穴から自分の指を入れて見せるジョーク)。マジシャンとアシスタントが荷物を列車に積み込むのを、車掌のカーンが手伝います。

098

098

25分、マジシャンは、アラナがピーナッツの自販機に入れようとしていたクォーターを借りてシガレット・スルー・コインを演じ、その後、コインを消します。アラナがピーナッツはどうしてくれるの?と言うと、自販機のところへ行き、指を弾くとピーナッツが出てきます。

098

カーンが同僚のチャーリーにカードを1枚引いてと、ファンにして差し出しますが相手にされません。その後、カーンはチームのリーダーでもあるドクとその彼女のミッチーに好きなカードを1枚思ってもらい、そのカードがデックのトップに上がってくると言います。「思ったカードは何だった?」「ハートのJ」「それがトップに上がってくるどころか、スペードのJに変わったよ」と言ってスペードのJを見せます。30分、マジシャンによるマジック・ショーのシーンで、ミリオン・カードを演じます。

098

そしてアシスタントを寝かせて浮遊させ、マスケリンの方法で輪を通して改め、布を掛けて消します。48分、アラナの肩越しからバラを取り出し、浮遊させます。

098

50分、床でカード・スタブを行い、ドクのサインしたカードを突き刺して当てます。55分、ドコルタ・チェアを演じながら、客が選んだ数字を当てます。椅子から消えて観客の後方から出てくるところはワン・カットです。

098

ショーの最後で、客に取り囲まれた状態でマジシャンが布で体を隠すとアシスタントになり、本人はステージから現れます。

この映画は全くヒットしませんでした。予告編の最初に蒸気機関車が登場するシーンは雰囲気がありますが、その後、列車の外観が出てくることは殆どなく、夜なので車外の景色も見られないので機関車の魅力が出せておらず、屋根に登って前の車両へ行くといったトレイン・ムービーによくある見せ場もありません(低予算感は水野晴郎監督の「シベリア超特急」を思わせます)。ただリメイクもされ、いくつかの派生作品があることから、何らかの魅力がある作品なのでしょう。マジックに興味がある人は、デビッド・カッパーフィールドのマジックを見るために見ましょう。

BDで販売されていますが廃盤で、そこそこの値段がします。YouTubeで原題、1980で検索すれば、英語ですが全編を見ることができます。2008年の「Train」は1980年版のリメイクとして製作が開始されましたが、オリジナルのストーリーになり、当然、マジシャンは出てきません。2022年の「Terror Train」は1980年版を忠実にリメイクしたもので、マジシャン役はTim Rozonが演じています。

098

アメリカのAmazonのプライム・ビデオで見られます。

因みに、同じRobyn Alomar主演で続編「Terror Train 2」も作られました。

次回からはホラー系繋がりで、ゾンビものをいくつか紹介していきましょう。

1) 栗田研:「映像の魔術 テラートレイン」『Four of a Kind Vol.2 No.4』(チェシャ猫商会, 1999) p.79


pagetop
当サイトは日本ベリサイン株式会社の認証を受け、SSL暗号化通信を実現しています。