では、前回のクイズの答えから。元々、ボストン・ボックスを売りたかったそうですが、当時は今のように、どこででも売られている状況ではありませんでした。海外のメーカーからクレームが付いた時のことを考え、違うギミックだと言えるように10円玉のスタックを組み込んだのだそうです。
もし、あなたの家の引き出しの奥にそれが眠っていたら、引っ張り出して確認してみてください。メルカリに出せば、珍品として高額で売れるかもしれません!道具として役に立ちませんが、マニアの集まりで話題提供にはなるでしょう。
では、オープニングから。
原題:Knight Rider 監督:Sidney Hayers 製作:Robert Foster、他 出演:David Hasselhoff(Michael Knight), William Daniels(Knight Industries 2000), Edward Mulhare(Devon (Shire) Miles), Patricia McPherson(Bonnie Barstow), Lance Burton (Austin Templeton), William Jordan(Dr.Browning), Peter Parros(Reginald Cornelius the THIRD) シーズン数:4 話数:90 製作:NBC 放送:1986年1月24日 時間:48分 製作国:アメリカ
1982~1986年まで、全90話放送されたカー・アクション・ドラマで、私立探偵機関の調査員、マイケル・ナイトが、人間の言葉を話し特殊装備を搭載したドリーム・カー、ナイト2000と協力して様々な事件を解決する話です(最近では2022年にアクション・チャンネルで再放送されました)。第4シーズン第15話「Deadly Knightshade」ではランス・バートンが悪役で登場し、当然のことながら多くのマジックを演じています。マジック・シーンが沢山出てくるので、ドラマの設定についての説明は省略します。
カーティス基金はデボン、ブラウニング、ジェイスン・デシルヴァ、マックス・ヘンダーソンの4人で運営されていましたが、デシルヴァが殺されます。冒頭、ホテルでのミラクル・テンプルトンのショーをマイケル、ボニー、レジナルドらが見ています。鳩を2羽出し(火を投げると鳩になるのと、手袋から鳩を出す)、そして手袋を床に投げつけるとボンと煙が出てテンプルトンが消え、客席から出てきます(ここは編集です)。鳩の部分はランス・バートンのコンテスト・アクトの冒頭部分で、手順は以下で見られます(その後、2羽目は手袋から出すのではなく、手袋を投げると鳩になるハンドリングに変えています)。
そして客席で胸バラを取ってシルクにして、そこから白いバラと鳩を出し、バラをボニーにプレゼントします。シルクを改めるところと、鳩が出るところはワン・カットではないので適当にやればいいのですが、本当にスチールしているようです。ホテルの駐車場に止めている客に、舞台に車を持ってきてもらいます。テンプルトンがフードのあるマントを着て、車をカーテンで隠すと、車の中にトラが現れ、フードを取ると助手になっており、テンプルトンは車のトランクから出てきます。次に拘束着を着せられ、頭には赤い袋を被せられ、体全体を袋に入れられ、台の上に寝かされます。蝋燭の火がロープを焼き切ると上からスパイクが落ちてくるので、それまでに脱出します。観客が緊張して見つめている中、テンプルトンは裏から抜け出て、ホテルのヘンダーソンの部屋へ行き、赤い袋からナイフを取り出し、投げて殺します。マイケルがヘンダーソンの部屋に来て殺されているのを発見し、テンプルトンを追いかけますが、倉庫の中で突然、消えてしまいます。逃げる時、スパイクス・イリュージョンで使った赤い袋を落としていきます。マイケルがショーの会場に戻ると、スパイクが落ち、テンプルトンが脱出したところでした。再度、倉庫を調べに行くと、隠し扉があり、そこを通っていくと楽屋に繋がっており、テンプルトンがボビーにカードのフラリッシュ(アーム・スプレッドしてキャッチ)を教えています。
ヘンダーソンを殺害した犯人を追いかけていったらこれが落ちていたと、マイケルは赤い袋を見せて詰め寄ります。テンプルトンは空中から同じものを2枚、マイケルの懐から更に2枚取り出し、こんなものどこにでもあると言います。マイケルが出て行こうとすると、忘れ物だよとテンプルトンはスリ取っていたマイケルの腕時計を返します。デボンがホテルへやってきた時に、霊柩車に轢かれそうになり、マイケルはナイト2000に乗って追いかけます。霊柩車は横転、爆発しますが、車内には誰もいません。マイケルが楽屋へ行くと、テンプルトンは涼しい顔でコイン・ロールをしています。実はブラウニングが基金を横領するため、テンプルトンに運営者を次々と殺害させていたのです。テンプルトンは悪巧みの話をしながら、ブラウニングのネクタイの裏からカードを取り出し、ファンを作り、髪の毛を結びつけて、引っ張ると綴じるといった演技をします。そして懐からナイフを取り出し、シルクを使って消して、再び出します。
再び、テンプルトンのショーで、冒頭と同じマジックのシーン。ナイト2000からのトラ出しとスパイクス・イリュージョンを行いますが、怪しいところはナイト2000にも見つけられません。ブラウニングとテンプルトンはデボンを殺そうと誘拐します。テンプルトンはデボンの懐からフラッシュ・ストリングを引き出し、火を着けて手錠にします。デボンに手錠を掛け、水槽に沈めて殺そうとしますが、マイケルとレジナルドが駆けつけ、テンプルトンらと格闘になります。テンプルトンはアピケンを出して殴りかかりますが打ち倒し、テンプルトンとブラウニングは刑務所に入れられます。終わりに、マイケルはハンカチの角を両手で持ってピンと張り、鳩を出します。
沢山のマジック・シーンが出てきて、一応、ストーリーに合っているとは思います(意味もなくファン・カードをやったりするところもありますが...)。ランス・バートンが出ていることから、マジックを趣味とする人は見ておくべきドラマでしょう。次回は、ステージ・マジシャンの2人組を主人公にした「俺たちスーパーマジシャン」です。