今年も I.B.M. 大会に参加しました。最近では、連続11回目の参加となります。6月28日から5日間、テキサス州ダラスで開催され、参加者数は700名を超えていなかったように思います。実を言えば、今年は参加をやめようと思っていました。やめようとした理由と、参加を決めた理由については、後で報告することにします。まず最初に、ステージとクロースアップのコンテストの結果報告から始めます。
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■ステージ・コンテスト |
クロースアップ・コンテストは18名が出場し、その中の9名が高いレベルの内容でした。決勝戦に残る6名が誰になるのかに興味がわきました。ただし、今年も、ゴールド・カップ獲得となるずばぬけた出場者がいなかったことが残念です。ゴールド・カップの獲得は、たいていの場合、多数のスタンディング・オベーションを必要としているようです。 |
今年は7月13日より開催の S.A.M. 大会が、アメリカでの F.I.S.M. 選考をかねたコンテストとなります。そのため、多くの参加者が S.A.M. に集中し、I.B.M. 大会は参加者が少なくなると感じました。また、コンテストも盛り上がりが少なくなると思っていました。それだけでなく、最近のオイル費用の高騰により、航空運賃もかなり高くなるのではないかと予想していました。
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1位とピープル・チョイス賞を獲得した韓国の Won Keun Haは、Tシャツとハンガーを使った演技です。2個のハンガーの大きさが変化したり、2個が大きな1個に変わります。ハンガーにTシャツが、突然、出現したり、ハンガーにかけたTシャツの色や絵が変化します。また、演者の上着の下に見えているTシャツも変化します。今までになかった全く新しい現象を、明るいタッチで演じられ、スタンディング・オベーションが起こりました。一つだけ問題点をあげるとすれば、Tシャツが中心素材のため、華麗なマジックではなく、安っぽく見えてしまう点です。これが現代的と言われればそうなのかもしれません。 |
決勝戦の韓国の二人と中国の二人、そして、台湾の一人を見て、思ったことがありました。アジアの一部の出場者を見ただけで、勝手な考えを紹介するのは問題があるのかもしれません。また、アジアの各地の大会を見てきたわけでもありません。しかし、報告することにしました。 |
1位とピープル・チョイス賞を獲得した Shin Limはシンガポール出身で、現在はカナダに住んでいます。昨年はアメリカ在住となっていました。昨年も技術のすばらしさと不思議な演技で、決勝の6名に残っています。しかし、2位にもなれませんでした。昨年も今年も中心となる現象は、二人にサインさせたカードの、あり得ない状態での入れ替わりです。このこと以外、演じている内容は、昨年と全く異なっています。昨年の場合、あまりにも不思議すぎて、二人の客の内の一人はサクラか、それに近い方法を用いていたと思われても仕方がない状況でした。今年は、サクラでないことをはっきりさせる方法で演じていました。そのためか、不思議さの面では、昨年より少し低下し、方法の見当がつきました。しかし、演出面では昨年以上にパワーアップしており、その点が評価されたのではないかと思っています。二人のサインカードが、1枚ずつ口から現れる部分では、口から煙も吐き出されていました。この時に、不気味な効果音が流れています。彼のエキゾチックな顔や全体のムードからは、今回のような神秘的で不気味な演出がマッチしています。効果音の使い方がうまく、他の部分でもうまく活用していました。口から出したサインカードを小さな透明ビニール袋に入れています。二人目のサインカードも別のビニール袋にいれます。このサインカードが、一瞬で入れ替わります。また、元に戻した後、2枚とも袋から消失します。その後、ケースに入れたデックも消えてしまいます。 |
夜のゲスト・ステージショーで大いに笑わせてもらえたのが Ed Alonzo です。下ネタも入っていますが、全てのネタで笑ってしまいます。私の席の同列の客が、巨体を前後に大きく動かして笑っていたために、イスが壊れるのではないかと心配しました。特に大笑いしていたのが、細長いバルーンを飲み込むネタです。この後、しゃべる声がピーピー声に変わります。それを排泄するために、便器に座っているポーズをとるのですが、きばる時もピーピーと音が出ます。このポーズのまま客席を向く方向に変えて、股の間の後方より、黒くなった細長いバルーンを引き出した時には、笑いが最高潮に達しました。さらに、これで動物の形を作り、前方の客に渡した時も観客は大爆笑していました。 |