今年はケンタッキー州ルイビル(Louisville)で、I.B.M.とS.A.M.の合同大会として開催されました。この合同大会は、非常に満足度の高い大会となりました。ステージとクロースアップのコンテストのレベルが高かったことと、ゲストショーがすばらしかったからです。昨年のI.B.M.大会参加時に比べますと、航空運賃も大会参加費もはるかに高くなっています。しかし、それ以上に満足出来た大会でした。
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ステージ・コンテスト ファイナル6に残ったのは |
1.韓国のアン・ハリムは、3日間かけて行われたステージ・コンテスト予選において、なんと、初日の、しかも、トップに出場していました。オリジナル性が高く、エネルギッシュでミスの少ないカード・マニピュレーションを演じました。演技途中から、拍手や声援がなりやまず、もちろん、ほぼ全員のスタンディングオベーションとなりました。この後、出場してカードを演じたコンテスタントが、気の毒に思えてきました。少々のすばらしい内容で演じても、アン・ハリムの印象が残っているためか、力強い拍手が起こらなくなったからです。
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FISM DVDは、受賞者の演技が中心となっていますので、いずれの演技もすばらしく、ほれぼれしてしまいます。その中でも、特に二人の演技に強烈なインパクトを与えられました。
その一人が上記のDavid Sousaです。使用している物品の関係で派手さはありませんが、演技のキレがよく、スマートで、なにより不思議です。演技を見終わった後、すぐに繰り
返し映像を見てしまいました。もちろん、クロースアップ・グランプリのRick Merrillもすばらしいのですが、これまでに何度か演技を見ていましたので、今回はSousaほどの強烈な印象は受けませんでした。David Sousaの映像を見れただけでも、FISM DVDを購入した値打ちがあったと思ってしまいました。
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1.Shawn Farquharがステージ・コンテストにおいて、クロースアップのカードマジックを演じました。テーブルがなく、足がつかないほどの高いイスに座って、手元をスクリーンにより大写しにして、BGMにあわせて演じていました。ステージショーの中で、このような演技を取り入れるのも悪くないと思いました。演目は、客にサインさせたカードでアンビシャスカードや、同じマークのAからKまで、次々に変化させて出現させていたように記憶しています。
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日本からのゲストとして、沢浩氏、ヒロ・サカイ氏、内田貴光氏の3名が出演されました。各氏の個性的なマジックにより、会場を大いに盛り上げていました。
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1.イギリスのMarc Oberonは、次から次へと不思議な現象をスピーディーに演じました。そして、演技が終わったと思われた時、待ち構えていたかのように、いっせいに大歓声とスタンディング・オベーションとなりました。鳴り止まない拍手に喜びを表現するのではなく、とまどった表情をしていたのがMarc Oberon本人でした。演技が、まだ、終わっていなかったのです。クライマックスの演技が残っていました。これが終わった後、もう一度、スタンディング・オベーションとなりました。
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1.日本の都々氏の演技も大いに受けており、何名かのスタンディング・オベーションもおこりました。いつも演じられている内容を、海外で、しかも、2000名近く入る会場で、堂々と演じられました。そして、観客を都々ワールドで酔わせていました。しかし、ファイナル6には残れませんでした。技術的なすばらしさと、受けていただけに、残念な思いが残ってしまいました。
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今回の大会は、日本人コンテスト出場者の応援のためか、日本人の大会参加者が多数となりました。大会の全参加者数やコンテスト出場者数も多く、FISMに近い状態となりました。3年に一度のFISMが、来年はヨーロッパではなく、アジアの北京で開催されます。そして、これまでにアメリカでは開催されたことがありません。そのような点から、今回はこのような形式をとったのでしょうか。
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前回のコラムのコーヒーブレイクで、レベントのマニピュレーションがNHKで放映された年を1988年と報告しました。しかし、これが間違っていることが分かりました。正しくは1983年でした。すでに、コラム自体の年数は訂正しておりますが、間違ったまま記録された方は、訂正をよろしくお願い致します。
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