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コラム



第38回 2008年 I.B.M./S.A.M. 合同大会報告(2008.10.21up)

はじめに

今年はケンタッキー州ルイビル(Louisville)で、I.B.M.とS.A.M.の合同大会として開催されました。この合同大会は、非常に満足度の高い大会となりました。ステージとクロースアップのコンテストのレベルが高かったことと、ゲストショーがすばらしかったからです。昨年のI.B.M.大会参加時に比べますと、航空運賃も大会参加費もはるかに高くなっています。しかし、それ以上に満足出来た大会でした。

参加者は1900名を超えており、アメリカにおいては、最も参加人数の多い大会となりました。7月21日(月)から26日(土)までの6日間の開催です。ステージ・コンテストは42組が3日間かけて、また、クロースアップ・コンテストは24名が2日間かけて競われました。いずれも、審査員によりファイナル6として6組が選ばれ、最終日の決勝では、ステージとクロースアップのそれぞれから一人ずつ勝者が決定されます。それぞれの勝者の決定は、全観客による投票、つまり、ピープル・チョイスにより決められます。ピープル・チョイス賞を獲得すると、現金で1万ドルをもらえるのが魅力です。

そして、この大会には、世界の各大会や組織の代表者が参加されており、それぞれの大会へ数名ずつ出演要請されました。これらの人には、渡航等の費用として、準備されている金額も同時に発表されていました。ほとんどの発表が、2千ドルか3千ドルでした。これらの費用の全てを合計しますと、5万ドルを超えることになります。

今回もいつものように、印象に残った点を中心に報告させて頂きます。

コンテスト結果

ステージ・コンテスト ファイナル6に残ったのは
 An Ha Lim(韓国)
 Red Hat(韓国)
 David Sousa(ポルトガル)
 Tim Marc(ドイツ)  David Kaplin(アメリカ)
 Tony Chapek(アメリカ)

ピープル・チョイスにより、1万ドルを獲得したのは
 An Ha Lim

クロースアップ・コンテスト ファイナル6に残ったのは
 さとる(日本)
 Marc Oberon(イギリス)
 Shawn Farquhar(カナダ)
 Latko(アルゼンチン)
 David Minkin(アメリカ)
 Tallon and Gorman(アメリカ)

ピープル・チョイスにより、1万ドルを獲得したのは
 Marc Oberon

ステージ・コンテスト、ファイナル6の演技者

1.韓国のアン・ハリムは、3日間かけて行われたステージ・コンテスト予選において、なんと、初日の、しかも、トップに出場していました。オリジナル性が高く、エネルギッシュでミスの少ないカード・マニピュレーションを演じました。演技途中から、拍手や声援がなりやまず、もちろん、ほぼ全員のスタンディングオベーションとなりました。この後、出場してカードを演じたコンテスタントが、気の毒に思えてきました。少々のすばらしい内容で演じても、アン・ハリムの印象が残っているためか、力強い拍手が起こらなくなったからです。

2.韓国のレッド・ハットも、途中から拍手がなりやまない状況となりました。小さな仮面を付けた人形としての演技です。前半は、人形のパントマイム的な動きと仮面のカラーチェンジが中心で、静的な印象です。しかし、後半は、仮面のプロダクションを中心として演じられ、次第に盛り上がってきます。片手で仮面を1枚出現させた後、2枚目、3枚目も出現させ、片手で3枚を特別な状態で広げて持っています。ジャンボカードとは違った魅力と面白さがあります。これを、他方の手でも同様に行っているだけでなく、身体の動きにあわせて、次々と出現させていました。今、アジアの中でも、韓国の若手のパワーのすごさに圧倒させられました。

3.ジャグリングとコメディーをマジックに組み合わせたDavid Kaplinも、すごい拍手と多くの観客のスタンディングオベーションとなりました。2年前のI.B.M.大会とほぼ同じ内容ですが、前回よりも少しマジックの要素が加わっている印象を受けました。そして、なによりも、前回大いに受けたボーリングのボールの演技が、パワーアップされていました。前回では、テーブルの上に置いたボーリングのボールが、しばらくすると転がって床へ落下します。これを数回繰り返した後、このボールが天井まで上昇してしまいました。今回はこれだけでなく、このボールを使って、これ以上の見せ場が用意されていました。私の印象では、今回の大会のコンテストでの話題性では、1番がアン・ハリムで、2番目は、このボールによる新しい見せ場だと思いました。

4.映像とのコンビネーションで、すばらしい演技を見せたのは、アメリカのTony ChapekとドイツのTimo Marcです。Chapekは大きなテレビ画面の中の自分の分身とのやり取りをコミカルに演じました。昨年のI.B.M.大会では、ゲストとして出演されています。昨年の大きなステージで、数名のスタンディングオベーションはあっても、それ以上は無理とも思えた中で、半数以上のスタンディングオベーションとなったのがChapekです。今年には、日本のテレビ番組でゲスト出演もされています。Timo Marcは2006年のFISMコンテストにも出場しており、パソコン画面と大きなスクリーンを使った演技で、FISMのDVDにも演技の一部分が収録されています。二人とも面白いアイデア満載で、コミカルな演技で大いに楽しませてもらえました。今後は、このように、映像とマジックの組み合わせが増えてきそうな印象 を受けました。しかし、これだけ面白いアイデア満載で、高レベルの演技が発表されますと、今後は、よほどの内容でなければ、高い得点が取りにくくなってくるのではないかと考えてしまいます。

5.もう一人のファイナリストがポーランドのDavid Sousaです。FISMマニピュレーション部門2位で、FISMのDVDにも収録されています演技です。ボールとスカーフ、そして、カードと赤い封筒を中心とした演技で、派手さはありませんが、うまさと不思議さが感じられる演技です。

コーヒーブレイク 2006年 FISM DVDを見て、印象の強かった二人

FISM DVDは、受賞者の演技が中心となっていますので、いずれの演技もすばらしく、ほれぼれしてしまいます。その中でも、特に二人の演技に強烈なインパクトを与えられました。 その一人が上記のDavid Sousaです。使用している物品の関係で派手さはありませんが、演技のキレがよく、スマートで、なにより不思議です。演技を見終わった後、すぐに繰り 返し映像を見てしまいました。もちろん、クロースアップ・グランプリのRick Merrillもすばらしいのですが、これまでに何度か演技を見ていましたので、今回はSousaほどの強烈な印象は受けませんでした。David Sousaの映像を見れただけでも、FISM DVDを購入した値打ちがあったと思ってしまいました。

もう一人、繰り返し映像を見てしまった演技者がいます。カード部門1位のHelder Guimaraesの演技です。ありえない現象です。それを確認するために、繰り返し映像を見てしまいました。一人の客により、4枚のブランクカードにサインさせたカードが、デックから消失して、演者の各ポケットから取り出されます。全くあやしい手つきがなく、パームを使った気配がありません。また、最初から、伏せたグラスの中に折たたまれて置かれていたカードが、4枚目のサインカードとなっていました。それだけではありません。クライマックスでは、これまでのマジックの常識では考えられないことが起こってしまいます。これだけ完璧であると、一つの結論に達してしまいます。もちろん、サクラの使用です。私も最初は、そのように思っていました。ところが、サクラを使わずに、上記の現象を可能にする方法(策略)のあることが分かりました。メンタルマジックでは、以前から使われていたようですが、最近、特に注目されるようになってきました。彼もこちらの方法を応用した可能性が高いのですが、いずれにしても、スッキリしない思いが残ってしまいました。

ステージ・コンテストで、ちょっと気になったこと

1.Shawn Farquharがステージ・コンテストにおいて、クロースアップのカードマジックを演じました。テーブルがなく、足がつかないほどの高いイスに座って、手元をスクリーンにより大写しにして、BGMにあわせて演じていました。ステージショーの中で、このような演技を取り入れるのも悪くないと思いました。演目は、客にサインさせたカードでアンビシャスカードや、同じマークのAからKまで、次々に変化させて出現させていたように記憶しています。

2006年のFISMにおけるパーラーマジックとしても、彼は同様な形式で演じ、2位を獲得していました。しかし、最近では、クロースアップのコンテストを多くの観客の前で演じることも多くなり、スクリーンに映して見るのが、よく行われるようになってきています。同じような形式で演じ、一方はステージ・コンテストで、他方はクロースアップ・コンテストとしての出場というのも奇妙な印象を受けました。ステージ・コンテストとして、一人ぐらいであれば個性的で面白いと思いますが、今後、同様な出場者が増えるようであれば、問題があると思ってしまいました。

なお、Shawn Farquharの場合、後半、手が震えながらカード操作していたことも大写しとなり、スクリーンを使用したことの弊害が現れて、良い印象を受けませんでした。ところが、演技後、多くの観客からのスタンディングオベーションがおこり、複雑な思いにさせられました。彼はステージに登場するだけで、大きな声援が起こるほどの人気があるマジシャンです。手が震えながらでも、大きな失敗をせずに演じ終えたことに対する、ファンからの声援であったのでしょうか。ちょっと気になってしまいました。

2.初日のアン・ハリムの次に演じた出場者についてです。アン・ハリムで、すごく盛り上がった後、次のこの人も、今回の出場者? と思ってしまいました。後方のスクリーンに、数分間、解説入りで風景の映像が映されます。その後、ライトがついて、スクリーンの前に、インド人の服装で座ったままの演者がいることが分かります。3色の砂を透明な水鉢に溶かし込んで、濁った水から、3色の砂を別々に取り出して、最後には、透き通った水にしていました。かなり以前からある優れたマジックです。本来のI.B.M.大会のコンテストであれば、全く問題ありません。しかし、今回は事前のDVD審査とマジック大会受賞歴から出場の合否が決定されていた、厳しい出場資格の大会です。他の出場者のレベルが高く、感激させられる出場者が多かっただけに、ちょっと気になる出場者でした。

3.そして、もう一人、気になったのが、中国からの出場者です。中国の民族衣装を着て、ステージ上の動きや舞踏が場慣れしていて、華麗でもあります。しかし、演じたものは、長い紐を使ったあやとりの造型と小さなボールを使っての八つ玉の手順です。かなり小さなボールを使って、胸の前でゴソゴソして増やしているだけでした。しかも、数回、ボールを床へ落としていました。全くなれていませんし、見栄えのしないマジックです。マジックと舞踏との差が大きすぎます。

彼女は、2001年のI.B.M.大会で2位を獲得している出場者です。その時は、カード・マジックが中心で、2枚ずつのカード・シューティングで、大喝采を受けていました。ところが、今回は、何故かその演目を封印していました。他の中国の出場者もカードを使用するので、急きょ止めたのでしょうか。あるいは、他に演じる予定のマジックに、何かトラブルが生じたのでしょうか。いろいろ無用なことを考えてしまいました。

日本からのゲスト出演者とコンテスト出場者

日本からのゲストとして、沢浩氏、ヒロ・サカイ氏、内田貴光氏の3名が出演されました。各氏の個性的なマジックにより、会場を大いに盛り上げていました。

コンテストには、ステージでは、マジック千秋氏、江澤ゆう子氏、幸条スガヤ氏、武藤桂子氏、Kyoko氏、藤山晃太郎氏の6組が出場されました。また、クロースアップ・コンテストには、さとる氏、都々氏、日向大祐氏の3名が出場されました。皆さん奮闘されたのですが、ファイナル6に残ったのは、クロースアップのさとる氏だけでした。今回のコンテストは高レベルの対決となり、誰がファイナル6に残っても不思議ではない状態でした。この大会に出場されたこと自体が、本来のI.B.M.大会のファイナル6に残ることと同レベルのようにも思えた大会でした。

私にとって、日本のステージ出場者の中で、特に印象に残ったのがKyoko氏でした。2年前はヘアーサロンのモダンなタッチの演技で、I.B.M.大会の1位を獲得されています。それ以前は、女性ガンマンの演技をされているのを見たことがあります。そして、今回は、全く趣を変えて、和服で胡蝶の舞の演技をされました。私が女性の胡蝶の演技を初めて見たのは、松旭斎正恵氏の演技です。1997年、第30回石田天海賞パーティーで演じられていたのを見ました。すばらしい演技であったので、強く印象に残りました。男性の場合とは、また違った趣があり、華麗で美しさを感じました。今回のKyoko氏の演技もすばらしく、世界に誇れる日本のマジックだと、改めて認識しました。海外のステージで胡蝶の演技が見れたことにより、いっそう、大きな感動がわいてきました。しかし、ステージ・コンテストとしては、他のすばらしい日本の出場者と同様に、決勝戦に残れなかったのが残念に思ってしまいました。私は今のままの胡蝶の演技が好きですが、世界規模のコンテストで高得点を得るのには、一工夫必要なのかもしれません。

クロースアップ・コンテスト、ファイナル6の演技者

1.イギリスのMarc Oberonは、次から次へと不思議な現象をスピーディーに演じました。そして、演技が終わったと思われた時、待ち構えていたかのように、いっせいに大歓声とスタンディング・オベーションとなりました。鳴り止まない拍手に喜びを表現するのではなく、とまどった表情をしていたのがMarc Oberon本人でした。演技が、まだ、終わっていなかったのです。クライマックスの演技が残っていました。これが終わった後、もう一度、スタンディング・オベーションとなりました。

彼は、2006年FISM大会にも出場していました。不思議ではあっても、まとまりのない内容であったようです。ところが、今回は、スッキリと整理されていました。

前半は、観客席から、ランダムに次々とカード名を言ってもらい、それと同時に、そのカードを取り出しています。あまりの速さに、圧倒されました。5名にカード名を言わせています。最初の客のカードは、デックからすばやく取り出すだけですが、客がカード名を言うのと同時に出現させていました。二人目のカードは、デックからライジングしてきます。これも、ほぼ同時ぐらいの印象です。3人目のカードは、Any Card at Any Number現象です。客に好きな数を言わせ、その枚数目より取り出していました。これもスムーズでスピーディーです。4人目のカードは、客がカード名を言い終わらないうちに、内ポケットより黒い封筒を取り出し、その中より客のカードが出てきました。5人目は、手に白い紙を持って火をつけると、フラッシュと共に、客のカードになっていました。全てが気持ちよいぐらいにスピーディーです。ゴソゴソしていた印象が全くありません。

後半も次々と現象が起こりますが、重量感があります。取り出したものが、全て銀色か金色の金属に変化させていたからです。赤いリンゴも赤いバラも、銀色の金属に変わります。私にとって印象深いのは、菱形に近い形に折った紙が、白鳥の形になった時です。菱形から白鳥の首がヒョコリ出現し、次に、頭の部分が出現しました。そして、これが金色の金属製の白鳥となります。また、取り出したカードも金色に変わり、広げていました。クライマックスでは、コインが大きなカギとなり、さらに、巨大なカギとなって終わります。

前半のカードの部分は、技術的なうまさに感心してしまいましたが、後で分かったことは、デックも封筒も、Marc Oberonが商品として販売しているものであることが分かりました。結局、うまさと頭のよさを感じた出場者でした。

2.さとる氏は、今回の日本の出場者の中で、ステージも含め唯一、ファイナル6(決勝戦)に残りました。演じられた内容は、基本的には2006年FISMと同じ内容のようです。部分的には、改良されていると思われます。財布の中から取り出す紙幣によるカードの予言、多数の爪楊枝を使ったコミカルな予言、そして、足を使って選ばせた3人のカードを、足を使って次々とテンポよく当ててゆきます。これも予言マジックです。

今回のような予言マジックでは、技術点が取りにくいといった不利な点があります。しかし、それにもかかわらず、ファイナル6に残ったことはすばらしいことです。オリジナル性とエンターテイメント性が高く評価されてのことと思いました。

3.カナダのShown Farquharは、カードを使ったデジャブー現象とカップ・アンド・ボールを演じました。2001年I.B.M.大会で1位を獲得し、2006年FISM大会で2位を獲得した時と、ほぼ同じ内容です。FISMのDVDでは、彼のカップ・アンド・ボールの映像がありますが、カードの方はありません。カードは2001年に比べますと、部分的に改良されています。客の両手に挟ませたデックが、封をしたカードケースになってしまいます。そして、その中から整列したデックが取り出され、客のサインカードが見つけ出されます。いずれもテンポよく、インパクトのあるマジックです。もちろん、多くの観客のスタンディング・オベーションとなりました。

4.アルゼンチンのLatkoは、2年前のI.B.M.大会やFISMにはステージ・マジックで出場しています。壊れたバイクを復元させてゆく、オリジナル性の高い内容でした。今回はクロースアップに出場して、ファイナル6に残りました。少し変わったタイプのカップ・アンド・ボールの手順で、途中からチェスのコマが出現し、次々とゲームに必要なだけのチェスのコマを取り出していました。クロースアップ・マットも、一気にチェス・ボードに変化します。この変化はビジュアルで、ステージの場合と同様に、仕掛けのある道具作りに才能が感じられました。

5.アメリカのDavid Minkinは、昨年のI.B.M.大会で1位を獲得しています。今回も内容はほとんど同じで、コインと砂時計のマジックを演じています。ただし、コインマジックを減らし、一部分変更していました。両手が空であることを見せた後、両手を合わせると、間から少しの水が落下してきます。もう一度両手を改めて、また、水を出しています。昨年と同様で、派手さはありませんが、うまさと不思議さのある演技者でした。

6.アメリカのTallon and Gormanは、2001年のI.B.M.大会でファイナル6に残った二人です。その時の内容とほぼ同じで、二人でカップ・アンド・ボールを演じています。ちょっぴり感動的なエンディングで、大きな拍手とスタンディング・オベーションがおこりました。

クロースアップ・コンテストでの他の印象的な出場者

1.日本の都々氏の演技も大いに受けており、何名かのスタンディング・オベーションもおこりました。いつも演じられている内容を、海外で、しかも、2000名近く入る会場で、堂々と演じられました。そして、観客を都々ワールドで酔わせていました。しかし、ファイナル6には残れませんでした。技術的なすばらしさと、受けていただけに、残念な思いが残ってしまいました。

2.カナダの二人組の出場者は、ステージへ上がって演じられました。二人の身体全体を使った演技です。今回のコンテストにコメディー部門があれば、そちらに該当する内容ですが、今回は二つの部門しかありません。また、どこがクロースアップかと言いたくなりますが、扱っているテーマで分類すれば、クロースアップとなってしまいそうです。二人が身体を使って、カード・テクニック名をコミカルに表現していました。ほとんどがダジャレのオンパレードです。あまりにもガクッ!とくる内容で、それがかえって笑ってしまいました。また、最後には、二人の客のカードを身体を使って面白く当てています。二人目の客のカードを当てる時には、二人とも逆立ちして、いきな当て方をしていたので、歓声が最高潮に達しました。

おわりに

今回の大会は、日本人コンテスト出場者の応援のためか、日本人の大会参加者が多数となりました。大会の全参加者数やコンテスト出場者数も多く、FISMに近い状態となりました。3年に一度のFISMが、来年はヨーロッパではなく、アジアの北京で開催されます。そして、これまでにアメリカでは開催されたことがありません。そのような点から、今回はこのような形式をとったのでしょうか。

日本人コンテスト出場者はレベルアップしてきていますが、それと同じぐらい世界のレベルもアップしています。中でも、アジアのレベルがかなり高くなってきており、特に韓国の若者の勢いにはすさまじさを感じてしまいます。日本も負けてはおられません。失敗がなく、完成度の高さを要求されますが、ファイナル6に残った出場者を見ていますと、独創性の重要さを感じさせられた大会でした。

前回のコラムの訂正のお願いと、1983年のI.B.M.大会

前回のコラムのコーヒーブレイクで、レベントのマニピュレーションがNHKで放映された年を1988年と報告しました。しかし、これが間違っていることが分かりました。正しくは1983年でした。すでに、コラム自体の年数は訂正しておりますが、間違ったまま記録された方は、訂正をよろしくお願い致します。

なお、1988年は、レベントがI.B.M.大会にゲストとして出演し、マニピュレーションとコメディー・マジックの両方を演じましたが、NHKの放映はありませんでした。1983年のI.B.M.ハワイ大会に、レベントはコンテストに出場し、この時の状況がNHKに放映されました。

今から思い返せば、この年は日本からの出場者が大活躍した年でした。ステージのファイナル6には、日本からの5名が残り、決勝に進んだからです。ナポレオンズ氏、菊地豊氏、安田悠二氏、花嶋世津子氏、坂本一魔氏の5名です。残りの1名はアメリカのジュニアの出場者でした。今回の間違いに気づいて、当時のことで思い出したことがあります。レベントのような出場者がいたにもかかわらず、日本の5名は勝ち残ったわけで、改めて日本のすごさを感じていた年でした。


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