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コラム



第34回 Any Card at Any Number(エニーカード・アット・エニーナンバー)(2007.11.23up)

はじめに

最近まで、このテーマの調査に没頭していました。やっと、まとめ終えましたので、一息ついたところです。この内容は、「トイ・ボックス9号」の原稿としてまとめていたものです。かなり長いページ数になります。そこで、こちらのコラムでは、その中の興味深い点を中心にまとめましたので報告させて頂きます。なお、少し長くなりますが、最後には作品一覧を掲載しましたので参考にして下さい。予想外の発見があり、大いに楽しめた調査でした。

Any Card at Any Numberの現象と名前について

客に好きなカード名と数を言ってもらい、デックのその枚数目より客のカードが出現する現象です。かなり不思議な現象です。ところで、これをデックにタッチすることなく行ったとしたら、不思議どころではすまされません。これを実現させ話題を集めたのが、イギリスのメンタリストDavid Berglasです。1970年代に、彼がこの現象を、プライベートやマジック大会で演じられ、その目撃報告がされています。その後、この現象のことを、一部のマニアの間で"The Berglas Effect"と呼ばれるようになります。

今回の調査で分かりましたことは、この現象の歴史は古く、1786年のフランスの文献に、初めて登場していることです。それから、20世紀の初め頃までのマジック書には、必ずと言ってもよいほど取り上げられているポピュラーな現象でした。いろいろな方法が用いられましたが、共通していることは、1~10の間の数を指定させていることでした。また、デックから選ばれたカードを、デックに戻して行われる方式か、デックの表を示して印象に残ったカードを覚えてもらう方法がとられていました。それが、1~52の間の数を指定させるように変化し、好きなカード名を言わせるように発展してきました。そして、1970年代以降、ノータッチで行う作品も登場するようになってきたわけです。

ところで、これらに統一した名前がありませんでした。私の調査では、初めて"Any Card at Any Number"のタイトル名がついた作品は、1980年代後半に登場します。その後、少数の作品にこの名前が付けられますが、単にタイトル名として付けられただけであったようです。ただし、1990年発行のSimon Aronson著"The Aronson Approach"の本の解説の中では、The"any card at any number"effectと書かれています。当時、一部のマジシャンやマニアの間では、この名前が浸透していたということでしょうか。

"Any Card at Any Number"として、多くのマニアの間で共通の名前で呼ばれるようになるのは2000年以降です。このことに大きな影響を与えたのは、1999年のBarrie Richadsonの"Theater of the Mind"の本です。この中で、Richardson自身の三つの解決方法が解説されています。また、1970年代に、Berglasより見せられたノータッチの現象の目撃談にも触れられています。これらの内容が大いに話題となり、これまで以上に、この現象の注目度が高まることとなりましたこの現象の理想とするカードの選ばせ方は、客に自由にカード名を言ってもらうことです。数も同様です。つまり"Named Card at Named Number"です。しかし、デックから抜かせたカードをデックに戻して行う場合も、この現象に含まれます。デックの中から、好きなカード(Any Card)を選んで取っているわけですから、このタイトル名を付けたとしても、間違いだとは言えません。ただし、最近の傾向では、" Card at Any Number"と呼んで、分けて考えられるようになってきています。

歴史変遷による4分類と代表的作品

大きく4期に分けることにしました。

第1期(1786年~1914年)

この時期の特徴は、1~10の間の数を客に指定させ、その枚数目より客のカードを取り出していることです。この方がスピーディーで、一般客相手には実践的といえます。

代表作がいくつかあります。一つは、最初の作品と思われる1786年のフランスのHenri Decrempsの方法です。デックのボトム側のカードを表向けておくことにより、Any Numberが言われても、特定枚数を配って、秘かにデックをひっくり返すことにより対応出来る方法です。1999年のBarrie Richardsonの本に解説された第一番目の方法では、この発想を取り入れて、客に言わせたカード名や数に対応出来る方法となっており、大いに注目を集めました。興味深いことは、2006年のJohn B. Bornの本に解説された方法です。この本には、多数の方法が解説されていますが、その中の一つに、Richardsonの方法をセットデックを使用しないで、即席で行える方法として発表されていました。しかし、それは、原案でもある1786年のDecrempsの方法に戻ったと言ってもよい内容でした。もちろん、各部分の操作や技法は洗練されています。

二つ目は、1868年のフランスのロベール・ウーダンの方法です。10までの数を言わせる場合の、最も適した方法といえます。客が数を言う確率の高い7枚目に客のカードをもってきています。他の数が言われた場合は、パスやその他の方法で対処しています。これも、第2期以降、パスを使用せずに楽に行える方法がいろいろと発表されています。特に、2006年のFISMのマイクロ部門で、1位を獲得されたマーティン・アイスレの方法は、楽に行えるだけでなく、この方法で、より大きな拍手をもらうための考え方が報告されています。2007年のマジックランド発行によるレクチャーノートを参照して下さい。

上記2作品以外に、グライドやセカンドディールを使う方法、同じ数を配りなおす方法、そして、指定枚数目のカードをすり替える方法等、様々な考え方が発表されています。これらの中で、同じ数を配りなおす方法について、もう少し詳しく報告したいと思います。その理由として、このようなあたりまえな方法で、マジックとして成り立つのかと思ってしまったからです。客のカードを、最初にトップへもってきておけば成立することぐらい、誰でも気がつきそうな方法です。しかし、2回目を客に配らせたり、ちょっとした演出により、予想外に効果のあるマジックであるのかもしれません。1970年代以降、この方法が、より不思議な内容に生まれ変わります。指定数のカードをデックの上で表向け、客のカードでないことを示した後、裏向けて、この上へ配ったカードを戻しているからです。もう一度配りなおすと、同じカードが現れるはずです。ところが、客のカードが取り出されるので不思議さが強くなっています。いくつかの方法が発表されていますが、最近では、1999年のGenii誌12月号に発表されたJ.K.Hartmanの方法があります。かなり手の込んだ内容になっています。

そして、特筆すべきことは、1908年のChas Shepherdが、今日行われている基本型とも言うべき、Any Cardと1~52の間の数を名のらせる方法を発表したことです。これには、エイト・キング・システムが使われていました。この時期に、このような方法が発表されていたことに強い驚きを感じました。ところで、このことを報告されたのは加藤英夫氏です。2007年発行の「カーディシャン物語」の中で報告されていました。たぶん、海外の文献でも、まだ報告されていないことだと思われます。さっそく私も、この方法が解説された1908年のスフィンクス誌3月号を読みましたが、全くそのとおりでした。しかし、残念なことに、せっかくのShepherdの発想ですが、1930年代まで、これに続く作品が登場していません。それだけでなく、1910年代~20年代は、この現象に関する作品が、なぜか、ほとんど発表されませんでした。

第2期(1930年~1969年)

1~52の間の数を指定させる方法が、一般化されるようになります。そして、それに関連して、多くの作品にセット・デックが使用されるようになります。ただし、この時代も、Any Cardを言わせて行う作品は一作品だけでした。つまり、1960年代まで、"Named Card at Named Number"の作品は、2作品だけしか発表されていないことになります。

代表作品が3作品ありますが、興味深いことは、いずれも1930年代に発表されたものばかりであることです。一つ目は、1933年のアル・ベーカーの方法です。二つのデックを使用し、一方を客に持たせ、数を言わせた後、他方のデックから1枚を選ばせています。そして、客が持っているデックより、そのカードが指定枚数目より取り出されます。1958年に単一作品だけで商品化されたKen Krenzelの"It Can't Be"をはじめ、いくつかの同様方式の改案作品が発表されました。最近では、2004年のタマリッツの本に、二つのデックとも、よくシャフルされた印象を与えて行う方法が発表されています。

二つ目は、1935年のLaurie Irelandの方法です。セットなしで即席で行えるものとしては、最も優れた発想です。客のカードを特定位置へもってきてパスしていますが、秘かなカウントを必要とせず、大胆で巧妙な方法がとられています。これを、さらに完成度を高めたダイ・バーノンの「スラップ・トリック」は、あまりにも有名です。

三つ目は、1937年のHugardの「カード・トリック百科事典」に発表された方法です。メモライズド・デックを使った"Named Card at Named Number"の基本型とも言うべき作品です。ここでは、ニコラ・システムが使われています。1908年のShepherdの方法と同様で、何のカードがボトムになればよいのかを割り出し、秘かなカットかパスにより対処する方法です。

これら以外では、1938年の「グレイター・マジック」にスベンガリーデックを使った作品が発表されており、この現象にトリックデックを使った方法の先がけと言えます。

第3期(1970年~1998年)

デックにタッチすることなく"Any Card at Any Number"が演じられるようになります。これをDavid Berglasが、マジック大会やプライベートで、マジシャンやマニアに対して演じたことで話題となりました。しかし、彼は秘密を公開しませんでした。それがかえって、多くの人に、この現象の興味を引きつけたようです。この頃より、多くのメンタリストが、新しい発想を取り入れて、新風を吹き込んできました。もちろん、カードマジシャンも負けてはいません。両陣営から、この困難な現象を可能とするための果敢なチャレンジがなされました。

ところで、最初に文献上に登場するノータッチの作品は、1971年のル・ポールの方法です。サクラを使っていますが、巧妙な方法です。ル・ポールは、すでに、13年前の1958年に死亡しています。この時期にメンタリストがよく使っていた方法として、カード名や数を紙に書かせる方法があげられます。また、ネイルライターやミスコールも使われています。これに対して、マジシャン側の代表作の一つは、1988年に正式に解説されたダイ・バーノンの「スラップ・トリック」です。Irelandの方法の完成度を高めた作品です。これまでに、かなりの回数、レクチャーで演じられてきたそうです。

二つ目は、1990年のKen Krenzelの"Open And Shot Case"です。HugardやShepherdが解説した基本型を、仕掛けのあるカードケースをうまく利用して、パスを使わない方法として完成させています。

これら以外で印象的な作品として、1995(6)年のGuy Hollingwarthによる、客にサインさせたカードで行う、大胆な方法の作品があげられます。そして、もう一つ報告すべきことは、1986(7)年に、トリックデックを使った作品が発表されたことです。私の調査では、これが初めて"Any Card at Any Number"のタイトルが付けられた作品です。平田治人氏のデックを使用し、Chris Kenwortheyがマジックの解説を書いて販売された商品です。まず最初に、表向きにスプレッドして、同じカードのない52枚のバラバラのデックであることを示すことが出来ます。よくシャフルさせて自由に1枚選ばせ、デックに戻させた後、さらにシャフルさせたにもかかわらず、客が言った枚数目より客のカードが取り出されます。簡単に行えるにもかかわらず不思議さの強い作品です。

第4期(1999年~2000年代)

1999年のBarrie Richardsonの本の発行以降、"Any Card at Any Number"の名前が定着すると同時に、より多くのマニアへ、このマジックに対する感心が広まった時期と言えます。

代表作として、Richardsonの二つの方法があげられます。一つは、デックの下半分を表向けておくことにより"Named Card at Named Number"に対応する方法です。二つ目は、カード名を二者択一の繰り返しで、また、数を指で表示させることにより、どちらも、かなり少ない範囲に限定してしまう方法です。

これら以外では、2007年のDavid Forrestの細工したカードケースの使用による、全体をユニークな発想でまとめあげた作品も印象的です。この他、2004年のタマリッツの本や、2006年のJohn B.Bornの本では、多数の方法が発表されました。そして、最近では、単一の商品として販売されるケースや、DVDの中で発表されるケースも目立つようになってきています。今後、さらに、独創的な作品が現れる可能性もあり、大いに期待出来そうです。

David Berglasの実演の目撃報告について

1970年代に、イギリスやアメリカで開催されたマジック大会でのBerglasの実演の目撃情報が、いくつか報告されています。それらの共通点は、一人の客にカード名を、そして、別の客に数を言わせていることです。プライベートでも、実演された内容が報告されています。こちらの場合の共通点は、一人の相手を対象にしているため、その人物にカード名と数を言わせています。そして、その後で、ケースに入ったデックが登場していることです。飛行機内においては、足もとにある合切袋から、ケースに入ったデックを取り出させています。また、彼が運転する自動車内においては、グローブ・ボックス(小物入れ)よりデックを取り出させています。そして、Berglasの自宅での場合には、案内された書斎の机の上にデックが置かれていました。これらの目撃情報が、1970年代での実演に集中しており、80年以降の実演情報は、ほとんど見つけることが出来ませんでした。最近では、2006年になって、リチャード・カウフマンがBerglasの自宅を訪問し、少し違った方法で見せられた目撃談が、Genii誌に報告されていたのが印象的です

2002年には、David Britland著"The Mind & Magic of David Berglas"が発行されています。約560ページもある大書ですが、この中で13ページにわたり、Berglasのカードマジックに対する考え方が書かれていました。"Any Card at Any Number"に限った内容ではありませんが、大いに関わりのある考え方となっていますので、その一部分を紹介させて頂きます。それによりますと、彼の場合、客にカードを抜かせる方法はとらずに、1枚のカードを思ってもらうか、ファン状に広げた中から1枚を思ってもらい、そのカード名を言わせる方法を採用しています。そして、よくシャフルされたデックを使うこともありますが、セットデック(メモライズドデック)もよく使っているようです。また、中央の位置でカットしやすいように、ブリッジをかけていることもあるそうです。客のカードの現し方ですが、客が言ったカードや思ったカードにより変えています。客に指定させる数も、問いかけ方により、デックの上部、中部、下部の誘導が可能なことも書かれていました。つまり、客が言ったカードが、デックの中の利用しやすい位置にある場合、"Any Card at Any Number"のマジックとして演じるようです。もし、ピッタリとした数を言われた場合は、ノータッチの現象として演じられます。しかし、数が少しずれておれば、演者がデックを取り上げ、各種の方法で枚数を調整することになります。このマジックが、いつ演じられるか分かりませんし、必ずしも演じられるとは限りません。一般客にとっては、他のマジックも同程度に不思議であり、このマジックだけが、彼の代表作として必ずリクエストされるといったマジックでもないわけです。しかし、マジシャンにとっては、ノータッチで演じられたということで、特別な興味の対象となり、最も注目度の高いマジックの一つとなりました。ところで、ここでの記載では、必ずしも、ノータッチばかりで演じていたようには書かれていませんでした。

結局、上記の内容は、マジックを行う上で大いに参考となります。しかし、これらの内容からは、Berglasの目撃報告にあったマジックの秘密を解くカギはなさそうです。全く別の方法を用いていると思われるからです。2007年のGenii誌5月号のBerglas特集号の中で、"Any Card at Any Number"に関しては、Berglas自身、様々な方法を持っていると述べられていました。そのような点から、目撃報告にあったそれぞれの方法は、その状況により、違った方法をとられていたと考える方がスッキリします。マニアやマジシャン相手に、ここぞという時には、特別な方法でノータッチの現象を演じていたと思われます。しかし、デックにタッチせずに行うためには、方法がかなり限定されてしまいます。目撃報告の各場面からは、それぞれにふさわしい一つの可能性に到達してしまうのですが、それが正解かどうかは分かりません。


おわりに

今回の調査により、初期の頃の考え方が、最近の方法に大きな関わりをもっていることが分かってきました。また、調査を始めた頃は、初期の10までの数を言わせる方法は、古い考え方だと思っていました。しかし、一般客に演じる場合には、こちらの方がむいているのではないかと考え方が変わってきました。スピードアップ出来ますし、テーブル・ホップにも適したマジックといえるからです。

これに対して、好きな数とカード名を言わせるNamed Card at Named Numberは、どちらかと言えば、マニア相手にチャレンジしているようなマジックと思えてきます。セットデックを使って、めんどうなことをしている割には、一般客に、こちらが思っているほど受けていないのではないでしょうか。これ以上に強い印象を与えるマジックがたくさんあるからです。しかし、マニアに対しては異なります。スムーズに演じられた場合、他のマジックよりも、強いインパクトを与えます。特にノータッチで演じられた場合、一般客以上に、強い興味の対象となります。つまり、マニア心をくすぐられるマジックが"Any Card at Any Number"ではないかと思っています。

最後に、ここでの報告では、各方法の概要や、Berglasの実演の目撃報告の詳しい内容、そして、方法による分類の各作品の変遷等については紹介出来ませんでした。これらについては、今後に発行されます「トイ・ボックス9号」に詳細を報告させて頂きました。ただし、最近のマジックに対しては、解説をさし控えましたので、特徴点と現象だけの記載となっていますことをおことわりしておきます参考文献と作品一覧各作品に使用されている技法や特徴点だけを、一言ずつ書き加えました。


(第一期作品 1786年~1914年)

1786 Henri Decremps Testament de Jerome Sharp
     配る途中でデックをひっくり返す

1859 Dick & Fitzgerald(発行者) The Secret Out
     グライド(ロングカード、パス、数理原理を使って客のカードをボトムへ)

1863 Dick & Fitzgerald(発行者) Parler Tricks with Cards
     配る途中でデックをひっくり返す(Decrempsと同じ方法?)P.39
     グライド(The Secret Outと同じ方法)P.113

1868  Robert Houdin Les Secrets de la Prestidigitation et de la Magic
     (1877 Hoffmannが英訳 Secrets of Conjuring and Magic P.256)
     The Thoughts of Two Persons Anticipated フォースカードを7枚目へ

1871 Cremer The Secret Out
     グライド(1859年のThe Secret Outと同じ方法)

1876 Hoffmann Modern Magic
     (1853年のフランス語のPonsinの本のカードマジックが、かなり英訳)
     1、グライド 2、配ることの繰り返し 
     3、配った後、デックをひっくり返す(数名のカードで繰り返す)

1887 Sach Sleight of Hand
     1、グライド 2、配った後、デックをひっくり返す 3、セカンドディール 
     4、配ることの繰り返し 5、内エンドからの特殊なボトムディール

1888 R.Kunard The Book of Card Tricks
     1、グライド 2、配った後、デックをひっくり返す 
     3、配ることの繰り返し 4、セカンドディール

1897 A.Roterberg The Ubiquitous Card New Era Card Tricks
     右手に数え取ったパケットのボトムカードをデックのトップへ戻す

1899 Hoffmann Trick with Card
     フォースと、そのカードを7枚目へ(ウーダンの方法とほとんど同じ)

1902 S.W.Erdnase Power of Concentrated Thought Expert at The Card Table
     客にカードを思わす方法(4種類)と、そのカードを8枚目へ

1908 Chas G. Shepherd The "Acme"Card Trick The Sphinx Vol.7 3月号 
     最初の"Named Card at Named Number"現象 エイト・キング・システム使用

1909 T.Nelson Downs The Art of Magic
     サイドスティールでトップへ ボトム側をサムカウントしてトップへパス

1914 Camille Gaultier La Prestidigitation sans Appareils
     (1945年にHugardにより英訳版 Magic Without Apparatus)
     1、客のカードを7枚目へ 2、配ることの繰り返し
       3、配った後、デックをひっくり返す 4、簡易なセカンドディール 
     5、グライド 6、客のカードをパームしつつカードを配る 
     7、セカンドディール 8、A.Roterbergの方法 
     9、ボトムのサムカウントとパス 10、L.Homme Masqueのパームとパス
       11、デックをポケット等へ入れ、指定数までカードを取り出してゆく


(第2期作品 1930年~1969年)

1931 Laurie Ireland Ireland Writes a Book
     シャフルさせたデックを演者の内胸ポケットへ入れ、1枚ずつ取り出す。

1933 Al Baker A Card And A Number Al Baker Book
     二組のデックを使用。数を言わせ、一方のデックからカードを選ばせる。

1935 Al Baker A Card And A Number 2nd Method Al Baker Second Book
     上記の改案。インジケーターとして、10枚ごとにショートカード。

1935 Laurie Ireland Year Book 1935
     トップから7枚目へもってきて、10~45の間の数を言わせる。

1937  Hugard Encyclopaedia of Card Tricks Thought Anticipated
     ニコラ・システム使用。Named Card at Named Numberの基本型。

1938 John Northern Hilliard編集 Greater Magic(ページ数は1994年度版より)
     ワンハンド・ボトムディールによる方法 P.212
     ロベール・ウーダンの方法にアードネスの方法も追加記載 P.330
     スベンガリーデックを使用した方法 P.432

1940 Hugard & Braue The Card at Any Number Expert Card Technique
     バックスリップ。右手パケットをデック上へ打ちつける。

1941 Al Baker Cooperative Conjuring Magical Ways and Means
     配ることの繰り返しによる方法。(原理が異なる。ダイスやパームを使用)

1941 Tarbell Course in Magic Vol.1 Card Appearane at Selected Number
     楽な方法でトップから7枚目へもってくる。5~10の間の数を言わせる。

1958 Ken Krenzel It Can't Be(単一商品として販売)
     (1962年 奇術研究28号 高木重朗氏一部分改案による日本語解説)
     Al Bakerの方法の応用。カードケースに52枚の位置のメモを貼付。

1962 Clayton Rawson How To Entertain Children
     (1963 日本語版「あなたは魔術師」 思考の力)
     配ることの繰り返しによる方法。クリンプカードと数回のカット。

1964 Dai Vernon Name A Number Vernon's Expended Lecture Note
     Irelandの方法の改案。トップから3枚目へ。1~52の間の数を指定。

1967 Dai Vernon Pure Mathematics
     Lewis Ganson著 Dai Vernon's Ultimate Card Secrets
     10枚のセット。二人の客に1~5の間の数と6~10の間の数を言わせる。

1968 Temple C.Patton Fidgety Digit Card Tricks Anybody Can Do
     客のカードを7枚目へ。ボトム2枚をセット。5~10の間の数を言わせる。

1969 Walter Gibson著 The Complete Illustrated Book of Card Magic
     Any Number Down セカンドディールの方法。デックをひっくり返す方法
     Double Count 配ることの繰り返しによる方法 
     Turnup Count 配ることの繰り返しによる方法で、客のカードが表向く。
       Any Number Up グライドによる方法


(第3期作品 1970年~1998年)

1971 Paul LePaul Baffling Impossibility Alton Sharpe著Expert Card Chicanery
     二人の客の内、一人がサクラ。名刺に52枚のカードの位置が記載。

1972 加藤英夫 3度目の正直 やさしいカード奇術
     配ることを3回繰り返す。2回目も同カードが出現。3回目は客に配らせる。

1972 加藤英夫 エニイナンバーリバース カードマジック研究第2巻
     配ることの繰り返し。客のカードは表向きで出現。

1975 Frank Garcia & George Schindler An Absolute Miracle Magic with Cards
     (日本語版 1975年 高木重朗訳「トランプ手品入門」 完全な奇蹟)
     Al Bakerの方法が楽に行えるように改良

1976 David Berglas The David Berglas File No.1 ピーター・ワーロック記載
     飛行機の中で見せられた経験談の報告

1976 Edward Marlo 1835 Prediction Hierophant 7 (このテーマに近い作品)
     フェロウシャフルの原理(18ー35) 15~20の間の数を言わせる。

1980 Tom Mullica Numbers Up Apocalypse Vol.3 No.5
     ワンハンドにて、客のカードを指定枚数目へ表向きにもってくる。

1981 Jimmy Grippo The Magic of Jimmy Grippo
     Your Number? 配ることを繰り返す
     Card at Any Number グライドを使用

1982 T.A.Waters Imposition Deckalogue
     サクラとネイルライターを使用

1984 T.A.Waters Disposition Cardiact
     薄いデックを二組使用

1984 Edward Marlo On The Berglas Effect Jon Ragherbaumer著 At The Table
     Berglasの実演の目撃談とマルローのサクラを使った方法

1984 Basil Horwitz 140608 to 1 The Mental Magick of Horwitz Vol.2
     3デックと封筒とネイルライターを使用。デックの一つは数が記載。

1985 Rich Bloch and Bob Cassidy The New York Magic Symposium 4
     In The Shadow of The Synehronous 数名に数を書かせる。ミスコール

1986 Larry Jennings The Classic of Larry Jennings
     Dice-O-Matic 3個のダイスを積み重ねさせる。見えない部分の合計数。
     Slap Me Again Vernon"Slap Trick"の応用。数理原理とトップカバーパス

1986(7) Chris Kenworthey and Haruhito Hirata Any Card at Any Number/Mastermind
     平田治人氏のトリックデックを使用した方法

1987 David Regal Any Card ー Any Number Star Quality
     セットアップ・デックでビドル・グリップによるカウント

1988 Dai Vernon Slap Trick Vernon Chronicles Vol.2
     客のカードを特定位置にもってくる。デック上をピシャ!とたたく。

1988 David Harkey Encounter Simplicities
     客のカードをデック中央でアウトジョグ。1~10の間の数を言わせる。

1990 Ken Krenzel Open and Shut Case Close Up Impact
     カードケースに少しの細工。ケースからデックを取り出して、指定数を配る。

1990 Simon Aronson The Aronson Approach
     Bait and Switch シャフルさせたデックとセットデックをスイッチ
     Any Card ,Then Any Number 現象を繰り返す。サクラのうまい使い方。

1994 Steve Cohen Any Card at Any Number Genii 12月号
     (2007年夏「ザ・マジック72号」にて、角矢幸繁氏による日本語解説)
     ポストイットを使って、カード名と数を選ばせる。

1995 William P.Miesel Visionary Card Effects
      Thought of Card at a Thought of Number 
     Method One フェロウシャフルの繰り返しによる方法 
     Method Two フェロウシャフルとサイドスティールとパスによる方法

1996 Michael Close My Wish Worker No.5
     アンダーカットを繰り返し、客がストップと言った位置より配る。

1995(6) Guy Hollingworth Notes on Card Tricks and Other Diversions
     (1996年に上記ノートが壽里竜氏翻訳によりマジックランドより発行)
      The Card at Any Number 客のカードの表にサインをさせて演じる
     (1999年発行のDrawing Room Deceptionsにも再録)

1996 Allan Ackerman Al Cardpone
     The Premise(まえおき) マルローのサクラとして演じた経験談
     Two Shakes 仕掛けのないカードケースを使用。Krenzelと同様の現象。
     The Indicater 二組のデックを使用。カット部分のカードの数を使用。
     Lazy Mans' Version 客にカットさせた位置よりカウントを開始 
     The Impromptu Indicater セットなしの二組のデックによる方法

1997 Ken Krenzel Simulatrum Mirabumdom Ingenuities
     二組のデック。他方より選ばれたカードと同じカードの位置より配る。

1997 Martin Juyal Red White and Blue The Six-Hour Memorized Deck
     三組のデックを使用。白は数のデック。赤と青デックの秘かなスイッチ。


(第4期作品 1999年以降)

1999 Barrie Richardson Any Card at Any Number Theater of the Mind
     Faced-deck Version デックをひっくり返すことによる方法
     Thirteen-deck Solution 13組のデックによる方法
     Platform Version 客のカードや数を少ない範囲に誘導

1999 J.K.Hartman Patent Portent Genii 12月号
     10以上の数を言わせ、配ることの繰り返しによる方法。

2001 Simon Aronson Twice as Hard Try The Impossible
     二人のカードを、エルムズリーの数理原理により取り出す。

2002 David Britland著 The Mind & Magic of David Berglas
     The Berglas Effectの目撃報告とBerglasのカードマジックの考え方

2002 Kenton Knepper Any Card at Any Number Sorcerer Series 2
     デックからカードを抜かせた客に、数も言わせる。知らないうちに協力者。

2003 Roberto Giobbi Telekinesis Card College Vol.5
     客のカードと指定数目のカードをスイッチ

2003 Dan Paulus Pure Skill Blind Luck and Pure Skill DVD
     Al Bakerの方法の改案

2003 佐藤総 トランプと悪知恵
     So-Lution  レギュラーデック一組による手順
     So-Lution 2 セットデックに費用がかかるが、上記より楽に演技可能。

2004 Juan Tamariz Mnemonica
     Any Card at Any Number P.82 5作品
      A. The Classic Method with The Pass 客の手の上へデックを置く
      B. With A Different Back (Mago Anton) 客のカードの裏、色変化
      C. Impossible Conditions (Mago Anton) ビニール袋の中のデック
      D. With False Dealing 各種フォールスディールによる方法
      E. With The Tamariz Perpendicular Control このコントロールにて
     A Card and A Number P.207
      Al Bakerの方法の改案。二組のデック共、シャフルした印象。

2004 Bob Cassidy The Artful Mentalism of Bob Cassidy
     The M.C.A.M.N.Test (My card at my number)
      客にカットさせた部分のカード名と残ったカードの枚数を使用。
     Any Card at Any Number 
      デックに輪ゴムをして、覗かせた部分のカードを使用。

2005 Larry Jennings Slow Motion Card to Number Up In Smoke
     全てを表向きに配って、客のカードの消失後、指定数目より出現。

2005 Barrie Richardson Untouched Act Two Theater of the Mind
     ひもでデックを空中にぶら下げた状態で、客に1枚ずつ指定数目まで取らせる。

2005 Joshua Jay MAGIC誌12月号 Any Card at Any (Page) Number
     指定数目には客のカードがなく、本のそのページ数目から取り出される。

2006 John B. Born Meant To Be
     Meant To Be SystemによるReBorn Krenzelのケース使用を改案。
     Perfect Effect 3人の客のうち、一人がサクラ。サクラの負担が大。
     Stooged サクラに負担をかけない方法 
     Any Cull at Any Number カルとシックカードを使用
     Baker Revisited Al Bakerの方法の改案。楽に行える。
     Baker Bested 同上。客にシャフルさせたデックのボトムカードを使用。
       Twist of Fate 原案のDecrempsの方法に近い方法。内容は洗練。
     Numerical Analysis Mike Powers エルムズリーの数理原理の応用
     Any Card at Any Number Luke Jermay / Banachek ステージ用
     Almost Any Card at Almost Any Number Paul Cummings
      No.1 少ない数を言わせる。サイドスティールの活用
      No.2 カルとボトムデールの使用

2006 Bill Nagler Any Card at Any Number 単一商品として

2007 David Forrest Route 01 単一商品として

2007 Martin Eisle クロースアップ・レクチャーノート(マジックランド発行)
     客のカードを7枚目へ

2007 Wesley James DVD The Man Who Knows Erdnase
     ボトムデールの使用

2007 Daniel Young The C.A.N.N.A.B.I.S. Effect 単一商品として
     ブランクデックの指定数目より客の指定カードが出現

2007 Bob Farmer Bammo Dekronomicon 単一商品として
     スプレッドした状態で数えさせ、別の客が思ったカード名をここで初披露

2007 Eduardo Kozuch ACAAN Giant Cards 単一商品として
     ジャンボケースからジャンボデックを客の手へすべり出して、客に配らせる


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