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コラム

第7回 一瞬でデックをリバース・フェロウ状態にする方法 (Anti-Faro)について (2002.4.17up)




一枚ずつ交互にアップとダウン(またはインジョグとアウトジョグ)を繰り替えることをリバース・フェロウと呼びますが、一組のデックで行うとなるとかなり時間がかかります。これを一瞬で行える夢のような方法が発表されました。Christian Engblomのアンチ・フェロウです。デックを右手から左手へスプリングしてとばすと、一瞬にしてリバース・フェロウの状態になるというものです。Geniiの2001年5月号に、リチャード・カウフマンの解説により紹介されています。アメリカでは、2000年のF.F.F.F.の大会にEngblomが参加され、実演されて話題となりました、この時の大会の状況は、2000年のザ・マジック44号に栗田研氏により報告されています。

この現象がなぜ可能なのかは、頭で考えても理屈がわかりません。Geniiによると、ポール・ウィルソンやマイケル・ウェーバーも行えるようになっているとありました。実現可能なテクニックであることはわかりましてが、パーフェクトに行うことは非常にむつかしいと思われます。

ところで最近になって、RRMCの若手ホープである川島友希氏がかなりの程度まで可能になっているのを見せてもらえました。ただし、Geniiに解説された方法とは少し異なります。このようなテクニックの存在を聞いただけで、独自に研究と練習をされたようです。原案では、左手掌上にスプリングされたカードを受け取って行くのに対し、川島氏の方法は飛ばす方向や左手への受け取り方が異なります。私は両方の方法で練習しましたが、実践面では川島氏の方がなにげなく行えるので、私は気に入っています。

なお、鎌刈吉良氏は数年前より、ドリブル・オフすると、一部分がリバース・フェロウ状態になるということを発見されていました。たとえ一部分であっても、ドリブル・オフで可能とするのはかなりむつかしいものです。

私はアンチ・フェロウの解説にある数枚のイラストを見ただけで、解説文は殆ど呼んでいませんでした。詳しく解説されていたとしても、簡単にできるものではないと思っていたからです。今回、川島氏に目の前で見せられたことにより、興味をもって解説をじっくり呼んでみることにしました。その中で面白い記事を見付けました。Engblomがこの現象を発見したのは1994年のことですが、なぜこれまでにこのような方法が発見されなかったかです。

一つの回答として、1990年代に入ってU.S;Playing CardsがArrco Playing Card Co のSlick Plastic Finishを取り入れたからではないかとあります。結局、その結果としてU.S.Playong Cardsがよくすべるカードになったわけです。EngblomにスペインのFornier社製のデックで同様に行ってもらったところ、出来なかったということです。このデックは、多分Linen Finishだそうです。

私もすべりの異なる数種類のデックで違いを確かめてみることにしました。最近のよくすべるデックと、十年以上前に購入したほとんど未使用のデックで比較しました。また最近のデックであっても、一定度使用して滑りすぎが減少しているデックでも行ってみました。なお、今のところ、私はうまく出来る場合で5割程度です。デック中央の26枚程度が連続して一枚ずつ交互になります。残念ながら毎回ではなく、数回に一回です。また、たまに40枚程まで可能なこともあります。そういった状態で調査した結果、滑りすぎないデックの場合は、多くの部分で2枚以上重なっていました。連続して10枚以上のリバースフェロウは可能であっても、20枚を越えるのはかなりむつかしいと云えます。

アメリカ製のデック以外に、ヨーロッパ製や日本製の数種類のデックでも調査を行いました。その結果、ほとんどのデックでアメリカ製よりも悪い成績でした。特にプラスチック製は、新品ですべりがまだましな状態でも最悪の結果となりました。

以上により、すべりやすさの問題が大きく関係していることがわかりましたが、私にはそれだけでなく、スプリングのしやすさも影響があると思えてきました。アメリカ製のスプリングしやすいカードと、滑りすぎるほどの滑り安さが、うまくマッチして、信じられないような一枚ずつ前後にずれる現象が生じたのではないかと思っています。

なお、より成功率を高めるためには、解説での練習のしかたにあるように、一枚ずつ裏表交互にして行った方が良い場合もあるようです。

1990年頃より、滑る過ぎるデックになって困ったもんだと愚痴をこぼしていた私ですが、意外な点で有意義に働いていたわけです。しかし、いずれにしても、パーフェクトに行うのはかなり難しいと思います。それが可能となるように必死で努力するのもよいですが、26枚程度であっても確実に行えるのであれば、それを利用することのほうが、現時点では実際的かも知れません。そのことを有効に利用した面白いマジックを考えてみたくなりました。


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