フレンチドロップ 「週刊スペルバウンド 788号」 フレンチドロップの竹本です。 もう2月も終わりです。月日がたつのは早いですね。 今日の話題は最近手品を始めた方や、手品歴10年程度の人には適しません。 読み飛ばしてください。と言っても単なる雑談ですが。 キッカケは、先週末に行われたレジェンドの会でした(月1で赤松洋一さん、石田隆信さん、ジョニー広瀬さん、宮中 桂煥さん、現役の天才クリエイターさんたちが集まる会合がフレンチドロップ周辺の洋食屋さんで開かれているのです)。 そこで以前フレンチドロップにも出演なさっていたブラック高木さんという方から、「俺ももう年やからな。今まで集めたマジック道具ちょっとフレンチドロップで売ってよ~。とりあえず家見に来て~」みたいなことを言われたんですよ。自宅に2,000種類近く道具があるらしいです。 私、思いましたよ(いや、なぜ僕に直接言う?! オーナーに黙ってそんな話を進めたら、裏社会なら1発アウトの頭越しってやつじゃないですか。それ)。 かと言って話が実現しなかった場合を考えると、ここでわざわざオーナーの耳に入れとくのもどうだろって本気で悩んだんですよ。3秒ほど。 で、最終的に知らんがな! 関係あらへん! ということで、とりあえずお邪魔させていただくことにしました。 そしたら、もうすごいですよ。部屋がマジックショップよりマジックショップなんですもの。 まずショーケース。部屋の中にショーケース。ライトアップされていて、その中に所狭しと道具が並んでいます。 ただの道具じゃありませんよ。テンヨーさんの廃盤品であったり、ミスター・マジシャンで昔に売られていたものであったり。 もう手に入らないものばかり。1つ1つの道具にサイズを合わせた箱に入れられ、整理整頓されて美しく並んでいるんですよ。 うわー、フレンチドロップのショーケースと大違い。 で、テンヨーさんの幻の一品「クレオパトラの手」が目についたので「うわー、クレオパトラの手があるじゃないですか。個人的に欲しいくらいですよ」とか言ったりして、この流れだと普通、高木さんの返答は絶対「いいよ」の一択じゃないですか。値段とか細かいことはありますが、とりあえず返答は絶対「いいよ」じゃないですか。整理したいから来て。じゃあ、行きます。からの売って欲しいですから。ところが、答えはまさかの「嫌や。売れへんよ」でした。 (あれ、いま大きく方向性変わったぞ。嫌って言うやんこの人。まぁまぁまぁ。まだ整理したくないのもあるでしょう。そりゃあるでしょう)。 そして次は、話には聞いていたけど、実際には見たことのないパドル(色々な種類のアメリカ硬貨のミニチュアが、透明のパドルに接着されていて、お客さんが指定した1つの硬貨以外はすべて消えてしまう)があったので、「これ売ってください」見ると、購入金額が2,000円とメモ書きされていたので、とりあえず10倍の「20,000円で売ってください」って言ってみたんですよ。売る言われても、絶対買わないですよ。買わないですけど、とりあえず20,000円言うといたれ! みたいな感じです。 じゃあ、また「嫌や」言うんですよ。 (え、おかしい。おかしい)。 で、さすがに聞きました。 「嫌って。整理したいんとちゃうんですか」 「したいよ。したいけど、それは俺が死んでからやん」 (死んでから?! あんたいま死んでから言うたん?! じゃあこっちはお宅が亡くなってご遺族相手に商売すんの?! 奥さんに旦那さん亡くなったらしいですね。それ聞いて大阪からわざわざやって参りました。あー、遠かった。大変でしたわ。さぁ商売しましょうか。ぐへへ。って言うの?! 奥さんこれは残念やけど300円くらいやね。え、主人は2万円はするって言ってましたけど。いや、それは昔の話ですわ。あー、ほんまド素人相手の商売は疲れますわ。なーんも知らんやからとかやるの?!) 「死んでからってそんなんできる訳ないですやんか。当人同士の同意がちゃんとあっても、世間から何言われるかわかりませんのに」 「いや、整理してもらうのは俺が死んでからや。それまでは手離さんよ」 (全然話ちゃう。聞いてた話と全然ちゃう。オーナーに言わんで良かったわ。ほんま)。 なかなかお目にかかれない手品に触れられるので良いですが、そういうことなら最初からそう言ってよ。 と思いつつ、お昼ご飯をいただき、おみやげまでいただいて、大阪に帰って参りました。 奥さんまで出て来ていただき、1人やったらこれ晩御飯にって色々持たせていただきまして。 もう、あれ、この人が僕のお母さんだっけ? ここ実家だっけ? と勘違いしそうになるほどでした。 今日も気をつけないと高木さん家に帰ってしまいそう。ただいまーって言っちゃいそう。 ここからが本題という訳でもありませんが、関西で高木さんのマジックコレクション自慢をされたい方は、いつでもウェルカムだそうです。 最近の市場に出回っていない珍しいものを堪能でき、マジック談議に話を咲かせられます。 もしちょっと覗いてみようかなと思う方は下記連絡先まで問い合わせてみてください。 ■ブラック高木 ご連絡先 080-3100-1835 メールアドレス: blacktakagi74@ab.auone-net.jp と言っても個人宅なので気を遣うところがありますから、正しいおいとまの方法だけ僕がお教えしときます。 まず帰りたくなったタイミングで「ほな、そろそろ帰らしてもらいま」とコテコテの関西弁で言い、すくっと立ち上がり、玄関まで歩いて行きます。まったく遠慮は要りません。どかどかと玄関まで1人で勝手に歩いて行けばいいんです。靴をはいて、ドアを開けて、本来なら「今日は本当にありがとうございました」というところですが、高木さん宅ではそんなん言う必要はありません。代わりに「自慢ばっかすんな! バーカ! バーカ!」と叫び、ドアを思いっきり閉めて帰ったれば良いのです。とても簡単です。 それでは新商品のご紹介です。 ───────────────────────────────────────────────── 新商品のご案内 ───────────────────────────────────────────────── ………………………………………………………………………………………………………………………… ■カードマジック『ミドル・シート』 by オルボ・ストックマン ………………………………………………………………………………………………………………………… ちょっと変わった予言で、観客の選んだ座席番号を当てます。 方法としては優秀なアレのやつを応用したものです。 完全フリーチョイスで、予言を目の前に出しておいて当てるって。 これマジックみたい。 https://www.frenchdrop.com/detail?id=7072 ………………………………………………………………………………………………………………………… ■カードマジック『カードトゥーン・リマスタード』 by ダン・ハーラン ………………………………………………………………………………………………………………………… カードトゥーンって実は爆発的人気を誇ります。 販売個数で見れば、トリックデックではスベンガリデックの次くらいに人気があります。 順序ちょっとわかりませんけど。 それもそのはずですね。 一見、子供向けにしか見えませんが、カード当てとしてじっくり考えると相当不思議要素詰まってますから。 https://www.frenchdrop.com/detail?id=7071 …………………………………………………………………………………………………………………………… ■『トラッシュ& バーン』 by House of Playing Cards …………………………………………………………………………………………………………………………… 破いたり、燃やしたり、捨てるためにデザインされたデックです。 ビリビリに破り捨てて、喜んでください。 https://www.frenchdrop.com/detail?id=7070 ──────────────────────────────────────── ★★★放課後フレンチドロップ ──────────────────────────────────────── 冒頭では大先輩について書きましたので、ここでは逆に若手の将来有望マジシャンのMKマジックさんをご紹介してみます。 だいぶ昔に、テーブルに置いた財布の口が、マジシャンの口とリンクするというようなエフェクトを考えていると言われたときから、なんとなく気になる存在でした。 そこからストリートマジックで実践を積み、大阪は新世界のオシャンティさんのマジックバー SHINSEKAIで修業を積み、いまに至ります。 http://www.magicshinsekai.com/ 最初はぼーっと眺めてたんです。コインを食べて、目から出してって。 うん、なんかよくあるなーと思ってたんです。でも2回目見ると、なんか上手な気がする。普通に上手いよな。これって。 そして3回目見ると、やっぱりめちゃくちゃ上手い。コインを食べるところ、いままで見た中で一番リアルだと思う。 ということで、そこだけピンポイントで撮らせてもらいました。ピンポイントすぎてすいません。 https://www.frenchdrop.com/special/?page=CoinEatingMan ──────────────────────────────────────── 後書き ──────────────────────────────────────── 最近は作業をしながら、よくこれを聞いています。 https://note.com/coinludens_magic/n/nca2022552739 4人のトークが面白いんですよね。 いまのところ、あまり手品は見ていないですが、会話を聞いているだけで楽しめます。 ときどき銀貨はマジックショップよりも、古銭屋さんで買った方が良いのかも知れないとか耳寄り情報があり、良い感じにイラっとします。 皆さんも良かったらどうぞ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 竹本 雅人 株式会社フレンチドロップ 〒542-0072 大阪市中央区高津1-2-18 TEL:06-6764-0678 FAX:06-6191-6130 E-Mail: shop@frenchdrop.com http://www.frenchdrop.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━