クラシックマジックは現象がストレートでとてもインパクトのあるものばかりです。この本では”7番目の鍵”、”紙玉の飛行”等の優れた作品を厳選し、原案を紹介するだけでなく、そこから派生した作品も取り上げています。ですので、個々のマジックの歴史や沿革、エピソードを知ることができ、とても勉強になります。そして、様々なコインボックスやワレットを解説しているのもありがたい。はっきり言って、情報量・内容の濃さはすごいです。
また、本のタイトルには入門とありますが、初心者の方はご注意下さい。本著の中に「内容が入門向きでないと判断できるということは、すでにそれだけの評価ができる段階まで進んでいるということです。そのような、入門と専門との間にいるプレ・マジシャン達を対象としました」 とありますように、ある程度マジックをされている方からマニアの方まで是非読んで頂きたい一冊です。
【収録マジック】
7番目の鍵
6つの開かない鍵と1つだけ開く本物の鍵の計7個の鍵を混ぜ、6人の観客に一個ずつ選ばせます。6人の観客がそれぞれ試すと、どの鍵も錠前を開けることはできません。最後に残っている1つをマジシャンが手にとって試すと、見事錠前が開きます。
紙玉の飛行について
ティッシュペーパーだけで演じられる有名な「スライディーニの紙玉」です。観客の選び方や扱い方はとても参考になります。動画でご覧になりたい方は「ペーパーボール O.T.H. 2200 DVD 」をどうぞ。
コインボックスの総括
16種類ものコインボックスを紹介。これほどまでにコインボックスについて書かれているものは他にはありません。また、ターンノーバーやミラージュムーブ等の技法も解説。
ガムボール・マシン
マジシャンは赤、水色、ピンク、緑、黄色、紫、オレンジの7個のガムボールを示します。この中からマジシャンが背中を見せている間に、観客に自由に1個選んで、ガムボールマシンの中に入れて他のガムボールと混ぜてもらいます。残りの選ばれなかったガムボールは封筒の中にしまってもらいます。マジシャンは向き直り、ガムボールのレバーを回します。なんと、観客の選んだガムボールと同じ色のガムボールが出てきます。
パズル
マジシャンはバラバラにしたジグソー・パズルのピースがいっぱい入った箱を持っています。観客にこの中から1つのピースを選んでもらいます。もちろん、観客にはパズルの完成図はわかりません。ここで、マジシャンは予め完成されたシクソー・パズルを見せますが、1箇所(1ピース)だけ抜けています。先程観客に選んでもらったピースをそこに嵌め込むと、ピタリと一致します。
ムーンカード
7枚の白いカードと1枚の月のカードがあります。観客が任意の位置において、さらにシャッフルした8枚のカードから月のカードの位置をマジシャンが見事に当ててみせます。あのデビィット・カッパーフィールドが公演の中で何千人という観客を相手に演じたこともあります。
スワミ・ギミックについて
観客に好きな2桁の数字を言ってもらいます。予め観客の目の前に置かれていたケースの中には4つ折りになった1枚のカードが入っています。そのカードをひろげると、先程観客が言った2桁の数字が書かれています。スワミ・ギミックの短所を演出でカバーしています。
ユリ・ゲラーのメンタル・マジック
マジシャンが後ろを向いている間、観客から7つのフィルム缶から好きなものを選んで、中に鍵を入れ混ぜてもらいます。マジシャンは表を向き、缶を触ることなく鍵の入っている缶を当てます。
ワレットの集大成
マリカ・ワレット、カップス・ワレット、ヒンバーワレット等8種類のワレットを解説。どのワレットを購入しようか迷われている方はぜひご一読を。
他、全17章
全261ページ
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