ジャンル | : | 書籍 / テーマ別 |
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シリーズ | : | フレンチドロップ図書室 |
価格 | : | ¥ 6,000 |
紹介ツール | : |
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カードマニピュレーションでよく演じられているインターロックドプロダクション(木の葉カード)を深く掘り下げて解説した本になります。
まず基本原理に始まり、チャニング・ポロックとウォルター・ギブソンのやり方を解説します。イラストが豊富なうえ、技法の注意点や訳注もあり、とても分かりすくなっております。
1956年から始まったフォーカス・ポーカスシリーズからの流れで1960年に出ました。ページ数は少なく小さい本ですが、ハードカバーと気合が入っています。あまり出回らない書籍なので、コレクターの方はお早めにどうぞ。
ウォルターギブソン著 高木重朗訳
1960年2月 力書房 発行
20ページ
ハードカバー
カードのマニピュレーションのうちで、もっとも多く演じられているのは、カードファンプロダクション(ミリオンカード)と、インターロックドプロダクションである。
インターロックドプロダクションは、わが国においては「木の葉カード」と呼ばれており、その効果は次ぎのとおりである。
両手を身体の正面にもっていき、手の甲を観客に向けて指を組み合せる。次いで、両手をゆっくりかえし、手のひらの方を見せてカラなることを示す。再び手をかえして甲を見せる。しかし、次ぎに手のひらを見せると。そこにカードが1枚出現している。そのカードを落し、また手の裏表をあらためると、また新しくカードが出現する。このようにして何枚ものカードを出現させていくのである。この奇術は、アメリカのクリフグリーン氏が、ダイヴァーノン氏と、「四つ「王のあらため方」の技法のうち、アーノルドドゥピエール氏が考案した“玉を手の甲にもってきて、手のひらがカラなることをあらためる技法"について話し合いをしているうちに、ヒントを得て考案したものである。
はじめは、両手の裏表をひっくりかえさないで、カードを出現させたが、後に至って、裏表をあらためてから出現させるように改良された。さらに石田天海氏が手のあらため方に改良を加えてから有名になり、この後、多くの奇術家によっていろいろな方法が考案された。
しかし、この奇術の解説書には、わが国はもとより、欧米においても近年までまとまったものはなく、片的な解説が2~3の解説書に見られるにすぎなかった。 1958年になって、ウォルターBギブソン氏によって"TheInterlockedBack-and-Front-HandCardProduction"と題した解説書が、カンターマジックショップから発行された。本書はこれを訳出したものである。
本書に解説してある方法は、わが国において行なわれている方法とは多少ちがってはいるが、この方法の方が合理的であり、わずかな練習でできる。特に、ギブソノ氏の方法はすぐれる。なお、昨年(1959年)の11月に、ダイヴァーノン氏の方法が発表された。これは現在の方法のうちで、もっともすぐれたものと思うが、この方法は、つづいて発行するギャンスン氏の『ダイヴァーノンのカード奇術』(仮題)の中に入ってているので、これを参照されたい。しかし、これを練習する前に、本書の方法を十分練習しておく必要があると思う。最後に、この解説文及び図は、訳者の考えから、理解しやすいように変更したり、また写真に変えたりしたところもあることを、おことわりしておく。
1960年 早春 高木重朗