カードマジックばかりが7つとコラムが収録された本です。7つのトリックはどれもとても練り込まれており、そもそもの現象が大変魅力的なだけでなく、些細なセリフのタイミングや言い回しが観客に与える影響まで深く考えられています。トリックの難易度ですが、スライト的にも決して簡単ではありませんが、それ以上にセリフに気を使い、頭を使うのが非常に大変です。ピットのように完璧に『演じる』ことができれば一級品のエンターテイメントになります。まあ、彼は超人的な頭脳とスライトの持ち主なのでかなりハードルは高いですが…。個人的にはここ数年のカードマジックの本で最も影響を受けた本ですし、数多くの著名マジシャンも絶賛しています。もはやカードマジック演者の必読本ではないでしょうか。レパートリーに入れるかどうかは一旦置いても、『読んでおくべき』本だと思います。マジックって面白いなと再認識させられますよ。