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第94回　グレイテスト･ショーマン(2025.5/23 up)

５月16日10時25分からテレビ朝日で放送した「大下容子ワイド！スクランブル」で、(有)精工パッキングの0.3mm極細輪ゴムが紹介されました。需要の無かった技術に、ポリープ切除のために使えないかと思った医師が依頼して日の目を見たそうです。切れやすい特性なのでフラップには使えないでしょうが、細いので何かに利用できると思ってHPを見たら、「クラフトやマジック、医療分野などの、ご要望を頂いております」と書かれていました。先を越された！

では、予告編から。

『グレイテスト･ショーマン』

原題：The Greatest Showman
監督：Michael Gracey
製作：Peter Chernin、他
出演：Hugh Michael Jackman(P. T. Barnum), Zac Efron(Phillip Carlyle), Michelle Ingrid Williams(Charity Hallett-Barnum), Rebecca Ferguson (Jenny Lind), Eric Anderson(Mr. O'Malley)
配給：20世紀フォックス映画
公開：2017年
上映時間：105分
製作国：アメリカ

フーディーニよりちょっと前の時代に、興行師として一世を風靡したフィニアス･テイラー･バーナムのサクセスストーリーをミュージカルにしました。“サーカス”という言葉を作り、怪しい見世物小屋を家族が見に行ける明るく楽しめるものへと変え、ショー業界に多大なる貢献をした人です。チャールトン･ヘストン主演の映画「史上最大のショー」でも出てきた列車で一座が移動する方式も確立しました(因みに、この映画の「The Greatest Show on Earth」という原題はバーナムが使っていた宣伝文句から取りました)。その他、ショー･ビジネスに与えた影響は多大なものがあり、これもこの人が初めてやったの？というものが多々あります。

小さいころから貧しかったバーナムはニューヨークで働き始めますが船舶会社の船が沈没したことで倒産し、全従業員が解雇されます。しかし、転んでも只では起きず、沈没した船の登録証を持ち出します。18分、それを担保に銀行を騙して資金を借り、博物館を開きます。家族に館を案内し、オマリーを紹介します。彼は元スリで、バーナムに雇われました。オマリーは左手にコインを持ち、フッと吹くとチャリーンという音と共に消えます(音は「エコライザー」？)。本当に投げ捨てて消えたように見せても成り立ちそうな動きです。エンタメを題材にした映画ですが、マジック･シーンはこれだけです。博物館をオープンしますが客の入りはかんばしくなく、娘が動かないものだからダメだ、という言葉をヒントに、本格的にショー･ビジネスの道へと進み、フリーク･ショー（見世物小屋）を始めます。

例によってハリウッドの伝記映画なので、史実から大きく改変が見られ、批評家の評価は半々に分かれています。バーナムの少年時代は極貧で靴もボロボロでしたが、実際には父親は手広く事業をやっており、バーナム自身も蝋人形館を開く前に週刊新聞の会社のオーナーで、生計を立てていました。

「This Is Me」は多様性を歌ったものですが、当時、そういった風潮は殆ど無かったでしょう。又、ちょっとしたスキャンダルがあったとしても今のようにニュースが広まらず、叩かれることもないので、それが原因で公演が中止になることは無かったでしょう。とはいえ、そういったことを気にせずに見ればよく、私は「ラ･ラ･ランド」などより好きな映画です。「Never Enough」は静かなところから徐々に力強く盛り上がっていく名曲で、マジックのBGM、例えばフローティング現象にも使えるでしょう。残念ながら、モデルとなったジェニー･リンド本人の肉声は残っておらず、どういった歌声だったかは今となっては分かりません。勿論、「Never Enough」は映画のために作られた曲なので、自身はその曲を歌っていません。又、ジェニー･リンドを演じたレベッカ･ファーガソンも歌っておらず、ローレン･オルレッドのアテレコです。因みに、ローレン･オルレッドはGot Talentで2022年に決勝まで行きました。

続編が計画されており、今回のストーリーはバーナムの人生の半分ぐらいまでです。60歳で始めたというサーカス事業など、まだまだ続きが作れそうです。

次回もヒュー･ジャックマンが主演の映画「プレステージ」です。