オープナーとしては大変面白いです。難易度は極めて低く、本当に一瞬でデック全体の色が変わってしまったかのような錯覚を引き起こすことが可能なので、観客は『これは凄いマジシャンが来た』と思ってくれることでしょう。
もっとも、初っ端から凄いマジシャンだと思われてしまうと、後に続くマジックにも観客はそれなりのクオリティを求めてきます。そういった意味では商品自体の難易度は低くても、実際に初心者の方が使いこなすことは難しいと言うことも出来ると思います。誰にでも出来そうで案外人を選ぶ、そんなギミックだと言えそうです。
アイディアが大変素晴らしく、鏡の前で演じていると『お〜!』と楽しくなる商品です。
しかし、これを実際の演技、特にクロースアップに組み込むというのはちょっと厳しいかもしれません。ある操作を行う際の音や絵柄のズレが至近距離だとかなり気になるため、観客にタネを推測されやすいと思われるからです。サロン〜小規模ステージくらいの距離ではその辺りは気にせずに演じられそうですが、ノーマルのカードと違って表面のツヤが目立つ作りになっているので、照明に配慮が必要になるかと思います。
実戦向けというよりは一人で遊んで楽しむ、そういったタイプのトリックであると思います。
一人で、または手品人の集まりなどで『お〜、変わった!』『これは楽しい』などと遊んでひとしきり盛り上がるネタとしては面白いと思いますが、実用性となるとちょっと厳しいかもしれません。勘の良い観客には、ケースにあるちょっとした矛盾点に気が付かれてしまう可能性もあるでしょう。アイディア自体は益田プロダクツらしく大変面白いのですが、スライトで起こすカラーチェンジと比べて、敢えてこれを導入したいと思う積極的な理由には欠けます。
もっとも瞬間でカードが変わるという現象自体は観客ウケがいいことは確かなので、飲み会でやコンパの為に練習の必要がない一発マジックが欲しい、という人にはいいかもしれません。
これは使えます。短時間で何か一つインパクトのあるものを演じたいと思ったら、間違いなく選択肢の一つに入るでしょう。
パケットものでは定番ともいえるカウントを数種類使用することになりますが、解説書に詳しい説明があるので、初心者がカウントを練習するのにも良いマジックだと思います。カウントの練習をしていたらオマケに凄いマジックがついてきた!そんなノリを期待して手を出しても損をすることはきっとありません。
ただ、現行商品もそうなのかは分かりませんが(私は数年前に買いました)、付属のカードはU.Sプレイング純正のバイシクルではなくて『精巧なバイシクル風』のものになっています。見た目で違いを指摘されることはまずありませんが、カードの滑りや厚み・耐久性が純正のものとは少し違うので、カウントをしづらいと感じる方もいるかもしれません。その一点を除けば大変おすすめ出来る商品です。
誰もが思いつきそうで、誰も試さなかったアイディア、そんな感じのトリックです。
アンビシャスカードの締めくくりなどに大変面白い現象ではあると思いますが、ギミックの作りも含めてレビューでも賛否両論が分かれている点については留意が必要かと思います。革新的なギミックを期待していると肩すかしを喰らうことにもなりかねないので『なんじゃこりゃ!』と思う人がいても確かに不思議はありません(ギミックは容易に自作可能なレベルのものです)。
なお、最後にデックを1枚のサインカードに変えてしまった後ですが、ギミックを上手に処理しない限りは観客にカードを手渡しは出来ないものと考えて下さい。その点からも人を選ぶ商品であると思います。
大変素晴らしいメンタルマジックです。
基本的なカードコントロールと、不自然でない話術が出来るということが大前提となりますが、それでも難易度的にはそれほど高いわけではありません。むしろ現象のインパクトを考えれば易しいとさえ言えると思います。相手から借りたカードでも行えるマインドパワーデック、と考えればまさしく破格です。
ただ、アウトオブサイト・アウトオブマインドを自信を持って演じられるという方は、観客側から見た場合の印象自体はさほど大きく変わるものではないので、敢えてこれを購入する必要はないかもしれません。
発想は大変面白いです。が、これはクロースアップだと少々キツイかもしれません。デモ動画はエンコード品質の関係でコマ落ちがあるため綺麗にデックが印刷されているように見えますが、実際はあそこまで綺麗に演じることは難しいかと思います。サロン、あるいは小規模のステージで演じた方が良いでしょう。
とはいえ現象自体は大変面白いので、デックの模様が印刷される過程を手でなぞる等のカバー的な動きを加えて上手に演出すればクロースアップでもいけるとは思います。
よく考えられた手順です。演技構成のどこにもってきても、それなりの効果を発揮出来る現象であると思います。
ハンカチを使う方法とアッシャーツイストを用いる方法の2種類か解説されています。実際に観客の前で演じてみると分かるかと思いますが、ハンカチを使う方法でも十分な反響を得られるインパクトのある現象を起こすことが可能です。
もちろんアッシャーツイストが綺麗に出来るのであればそちらの方がより不可能性の高い演出が可能になりますが、中途半端なアッシャーツイストを無理に使ったのではかえって観客に疑念を抱かせてしまうことになりかねません。そのような場合は素直にハンカチを使ってしまった方がマジシャンも観客もストレスを感じることなく演技に集中出来るでしょう。
解説を読んでから実演を見てしまうと何が不思議か分からなくなってしまうと思うので、出来れば解説を読む前にどこかで実演を見て頂きたい、そんな手順です。複雑なスライトは用いませんので、ある程度初心者の方が購入しても大丈夫でしょう。
ノーマルデックで演じる手順も解説されていますが、付属のギャフカードを使った方が無理なく淀みないの綺麗な流れを作ることが出来ます。
大変インパクトのある現象なので、個人的には手順の途中に組み込むよりはこれ単体で演じるか、もしくはクローザーとして演じるのがいいかと思います。オススメです。
DVDの中でメシカ自身が語っていますが、日本人が考案したあるアイテムと電動式ITRを組み合わせたようなギミックです。スイッチのオン・オフは好きなタイミングで自然に出来ますし、取り回しの良さやメンテナンスの容易さもこの手の道具としてはベストのものの一つに数えられると思います。
ただ、やはりあくまでもギミック自体は電動式ITRであって、これを手にしたからと言って突然奇跡のような演技が出来るというわけではありません。手順次第で良くも悪くもなり得る、そういうギミックです。その意味では付属のDVDの手順は大変参考になるでしょう。