「奇術探究」は毎号ひとつのテーマで作品を紹介する小冊子です。奇術家たちの様々なアイディアが楽しめます。
今回の特集は「コレクター」。現象の持つ魅力に、達成の難しさも手伝って、これまでたくさんの奇術愛好家たちを虜にしてきました。多くの手順が発表され、今なお研究が続いている人気あるテーマです。
ここでは5人の奇術家によるアプローチを学ぶことができます。それぞれにまったく異なる狙いで、斬新な発想も楽しめます。どの手順もコレクターには付き物の煩雑さがなく、実践に使えるのが嬉しいところ。
初心者を対象にはしていませんので、ある程度知識のある方、そしてもちろんコレクターの方にお奨めします。
【収録内容】
セカンドハンド・コレクター ―― ゆうきとも
ゴタゴタ感のないコレクターです。いや、本当にまったくないです。
Convincing Slop Shuffle ―― 橋本昌也
スロップシャッフルをする際に、ごちゃ混ぜ感を強めるアイディアです。
スロップシャッフルのやり方は知っておく必要があります。
Slop Collectors ―― 橋本昌也
トライアンフ現象の後に起こるコレクターです。Convincing Slop Shuffleを使います。
最近の「コレクター」の傾向について ―― 石田隆信
コレクターについてのコラムです。プロット発生時から、現在に至るまでの流れを特徴的な作品を挙げつつ、駆け足で追います。現在の石田さんの考え方やお気に入りの手順紹介もあり、ためになる内容です。
テクニカラー・コレクター 石田バージョン ―― 石田隆信
石田隆信の自信作です。『現代カードマジックのアイディア』で解説されているテクニカラー・コレクターの改案です。大きな違いは、最初にデックをシャッフルしてもらえる点です。
解説は変更点のみですので、興味を持たれた方は「
現代カードマジックのアイディアも合わせてご覧ください。
ラバーハント ―― ゆうきとも
観客の選んだカードをデックに戻し、デック全体に輪ゴムを二重にかけます。よけておいたK2枚をデックのトップ、輪ゴムの下に滑り込ませるようにして差し込みます。その状態でデックをテーブルに落とすとカードが数枚、輪ゴムのかかった状態で飛び出ます。輪ゴムを外して確認すると、K2枚の間に観客のカードが挟まれています。
ラバーハント・コレクター ―― ゆうきとも
ラバーハントのサンドイッチ方法をコレクターに応用したものです。つまり観客が選ぶカードを3枚に、輪ゴムの下に滑り込ませるKを4枚にします。デックをテーブルに落とし、
飛び出たカードを確認すると、4枚のKの間に1枚間隔で観客の選んだカードが挟まっています。
クイックサンド ―― 野島伸幸
観客が選んだカードをデックに戻します。デックをはじいていき、ストップがかかったところに、ジョーカー2枚を差し込み、アウトジョグしておきます。その2枚を抜き出すと選ばれたカードがサンドイッチされています。
コレクテッド! ―― 野島伸幸
ジョーカー2枚をテーブルに出しておきます。デックからA4枚を取り出し、好きなマークを選んでもらいます。その後、ジョーカーを取り、クイックサンドの要領で、観客が選んだAを出現させます。ジョーカー2枚は揃えてテーブルに置きます。少し間を取り、ジョーカーを広げると、その瞬間ジョーカー2枚は裏向きA3枚の間に1枚置きに挟まれます。
シングルコレクション ―― 南部信昭
ジョーカー2枚をテーブルに出しておきます。観客にカードを1枚覚えてもらったらデックに戻します。ジョーカー2枚の間に、観客が選んだカードを挟んで当てると説明します。
ジョーカーを確認すると、なぜかK4枚に変わっています。演者は仕方なくKを1枚ずつ消していきます。4枚とも消えた後、デックを広げると中央に表向きのKが4枚出現し、その間には1枚置きに裏向きのカードが3枚挟まっています。確認すると左側と右側がジョーカー、真ん中に観客が選んだカードという位置関係で、最初にマジシャンが説明したとおりになっています。