もう最終回なんだと寂しい気持ちもありますが、前作のコンセプトを引継ぎ、とても良い充実したDVDだと思います。
★E.T.
多少不自然な部分もありますが、よく考えられた作品だと感心しました。
★アセンション・エーセス
これが一番おもしろかったです。オメガカウントを多用しますが、それが出来ればそんなに難しくないです。最後のエースが出現する、オイルアンドクイーンタイプのマジックは、意外性があり大好きです。
★エレベーター・エーセス
クラシック過ぎて演じる気がしないのですが、一般の方には、こういうトリックも十分喜ばれるのかもしれませんね。
★B-エーセス
私はジャズエーセスは、クライマックスなしのシンプルな方が好きです。クライマックスを入れることにより、格段に仕事が増えますし、お客さんも何がなんだか、分からなくなる可能性があるのではないかと・・・。マジックはシンプルイズベストだと思います。
★E-Z トライアンフ2
個人的には、ザローシャッフルかスロップシャッフルで演じるので、これはやらないのですが、こういうやり方もあるんだなと思いました。これはもう好みの問題ですね。ただサトルティーの利かせ方がうまいと感じました。
★ユニバーサル・リハーサル
壮大で複雑な、かなりマニアックな作品です。一般の人に見せるなら、ワイルドカードの方が分かりやすくていい気がしますが、この作品もなんか好きですね。いろいろ工夫していて、感心しました。
総評するとトランプの友シリーズは、ライブが固定されたカメラの映像であることや、演じている場所もをもっとおしゃれな所にするなど、工夫をして欲しい点は多々あります。ただ価格も手頃ですし、本当に良質な作品が多く、勉強になりました。ゆうきさんには、ますます精力的に作品集を出して欲しいなと思います。
良質のカードマジックが揃ってますし、ゆうきさんのレクチャーは相変わらず丁寧です。
ですが、ちょっとマニアックというか、観客を少々疲れさせるような作品が並んでいるような……。カードマジックの場合、カード当てばかりやるのも問題ですが、たとえカードを当てる(=観客にカードを覚えさせる)マジックでなくても、観客にカードの状態を記憶させるマジック(オイルアンドウォーターだって、表向きでできる訳ないですから、ある意味観客の記憶力を要求しますよね)ばかり続けるものではないな、と思いました。そして、このDVDは、そう言う作品ばかりなんですよね。
オープニングでゆうきさんは、収録作全部を連続でライヴで演じてらっしゃいますが、それはゆうきさんならではなのであって、一介のアマチュアがあんな真似をしたら、確実に観客をへとへとに疲れさせます。
作品は全て良質で、レクチャーも上質です。ただ、演じどころはわきまえて、適切なルーティーンを組みましょう。マジシャンの自己満足には決してならないように。